2018年04月04日

長尾街道その2・国分→関屋峠→長尾神社

関屋峠を越えて奈良県へ。


↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

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国分は大和川と奈良街道に面していたので
奈良から大阪湾へ出るための交通の要衝でした。

また剣先船の荷揚げ港でもあったので
問屋が集まり物流の拠点としての繁栄もありました。

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今も茅葺きを改良した家が残っているなど
古い立派な家々が軒を連ねています。

国分のいわれである河内国の国分寺は
国府からも近い絶好の場所に位置していました。
河内というと八尾あたりが中心と思われがちですが
大昔はこの辺りが中心だったんですね。

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ここで右に折れます。
直進は龍田越え奈良街道で奈良市街へと通じています。

道標に書かれた文字は交通の要衝らしく
当麻、長谷寺、大坂、奈良といった各地の地名が刻まれています。

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長尾街道はこれより関屋峠越えを進みます。

古地図には田尻峠越えという別ルートも描かれていますが
江戸時代まで大いに利用されていたのは関屋峠の方で
田尻峠は間道のような道筋だったようです。

田尻峠は明治になって大幅に改良を受けますが
今は国道が通るメインルートになっています。

この早い時期のルート変更があったからこそ
関屋峠は今も往時の風情を楽めるというわけです。

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大阪の名物の一つ「ぶどう」
柏原のぶどうは特に有名で道の両側に畑が広がります。

栽培の歴史は古く今から280年前(宝永3年)からで
あの甲州ぶどうは当地の苗木を使って栽培が始まっています。
昭和初期は大阪府は全国で第1位のぶどう産地だったわけですが
台風や高度経済成長の影響などを受けて縮小していきます。

随分と大阪平野の展望が開けてきました。
遠くにはあべのハルカスがくっきり見ることができます。

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途中からは藪道へと変化します。
入口は非常にわかりにくい状態だったのですが
今昔マップで明治の道筋と照らし合わせると一目瞭然でした。

藪になっている区間は長くは続かず
ものの10mほどで快適路に変化していきます。

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冬場でこの程度の藪だったので
夏場はもう少し酷いかもしれませんが
昔の街道そのものが残っていて良い雰囲気です。

峠の手前には大きな石がゴロゴロ転がっていました。

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関屋峠。

標高はそれほど高くないので
勾配は大したことない気軽な峠越えでした。

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峠の先には関屋地蔵尊があります。
奈良の初瀬の人が峠の交通安全のため奉納したもので
日を切って祈願する日切地蔵として信仰されてきました。

砂岩製なので風化が酷く痛々しい姿です。

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下り道もハイキング道の様相です。

街道は登山道と違って物流の道でもあるので
山の中といえども歩きやすい道なのが基本ですね。

右下に関屋の住宅地が見えてきましたが
旧道はまだまだ続いていきます。

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住宅地は大規模に造成されてはいるのですが
旧道は外周道路に沿った形で現存しています。

地域の人々の畑への道としての役割もあるようで
いずれにしても残っていることは嬉しいことです。

道路の高架下にある小川を渡って関屋駅付近へ。

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関屋は狭い路地の古い雰囲気が残っています。
名前の由来は関所であったことから。

ちなみに先述の田尻峠の由来は
大和の田畑の開墾地の終わりの場所を意味していてます。

これら2つの地名は
まさに国境を連想する名前ですよね。

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右手に二上山や葛城山を見ながら歩いていきます。

かつては山沿いに溜池がいくつもあったようですが
開発によって埋められたものが多いようです。

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穴虫付近も良い風情が残っています。

名前の由来は穴に伏す低地ということからで
古くは大坂と呼ばれていたそうです。

街道沿いの古い旧家では年末だったことで
大掃除の光景を見かけることができました。
この時期ならではの街道風情です。

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やがて当麻寺駅を過ぎ竹ノ内街道と合流して長尾神社へ。

長尾神社は伊勢神宮へと続く道中であることや
街道の要衝であることから交通安全の神様として
古くから信仰されているそうです。

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まとめとして。

長尾街道は大阪平野の市街地の区間と山越えの区間、
そして奈良の長閑な光景の区間の3つの顔を持ちます。

その上で古代道路を踏襲していることから歴史的にも深く、
距離も手ごろなので初心者にも絶好の面白い街道に思います。

隣に平行する竹ノ内街道とともに
もっと有名になってもおかしくない街道です。

  
posted by にゃおすけ at 15:00 | Comment(0) | 大阪から奈良への街道 | 更新情報をチェックする