昔の人が歩いた道。
いわゆる旧街道に興味を持つ人が増えてきています。
楽しみは人それぞれあると思いますが
歩いてみると昔ながらの懐かしい光景と出会えますし
歴史を感じたり各地の名物を食べたりと楽しいものです。
東海道や中山道などの有名街道は
ルートの図解があるガイドブックが多数発刊しているので
まずは本を片手に歩いてみると良いでしょう。
しかし、有名どころでない街道となると
資料の数が少なくなり難易度が一気に上がってしまいます。
そこで、今回はいかに効率よくルート作成をして
快適に歩けるかを重点的にまとめてみようと思います。

まずは調べ方。
・先人が歩いた記録(ネットや本)
・図書館や資料館で調べる(歴史の道調査報告書や古地図など)
・TwitterなどのSNSやコミュニュテイでの情報交換先人の残した記録は重要ですね。
特に図書館にある「
歴史の道調査報告書」という書物は
地方街道の道筋をかなり詳しく網羅してくれています。
購入すると高いので図書館に出向いて見せてもらうか、
遠いならコピーをしてもらうかが良いと思います。
昔のルートに特に拘らなければ、
ネットで街道名で検索すると先人の歩かれたデータが出てきます。
こちらを参考にすると手っ取り早いといえば手っ取り早いです。
ただし、ルートは人それぞれ。目的も人それぞれ。
どんな資料を元に歩いているかわからない場合が多いので
忠実に歩きたい場合は参考程度にしておくと良いかもしれません。

これらの資料でおおまかなルートは調べれると思いますが
今やネットで現地の写真や地図が簡単に見れるようになっているので
これも使わない手はありません。
・Googleのストリートビュー
・Google航空写真 (現代のもの)
・国土変遷アーカイブ空中写真 (戦前から現代にかけて)
・今昔マップ on the web (大都市圏の新旧の比較が一目瞭然)
・アプリ”今昔散歩”の古地図 (江戸界隈が詳しい)
・iPhoneアプリ”FieldAccess”の航空写真 (現在地の過去が簡単にわかる)これらはオススメできる6点です。
旧街道の中には廃道になってる区間もあるのですが
前もって調べておくと迷子になる可能性が減って安心です。
特に昔の空中写真はかつての街道の道筋がくっきりわかり、
眺めてみるだけで昔を旅している気分になれると思います。
もっとも歩く前にどういう状態なのか知ってしまうと
現地での楽しみが減るじゃないかーと思われる方もいるでしょう。
そういう方はこれらの写真で調べないほうが良いかもしれませんね。
最後に書いたiPhoneアプリ”FieldAccess”は超オススメです。詳しくは後述します。

では、実際にルートを描いていきましょう。
昔ながらに白地図を用意して線を引いていくやり方もありますが
ネットを活用したほうが便利と思うことが多くなってきました。
以下の記事は少し前に書いたものです。
参考になるかもしれませんが内容は古いです。
歩き旅のiPhone活用術 〜ルートマップ編〜
http://borabora.seesaa.net/article/225042494.htmlルートを作成できるサイトやツールはいくつかあるのですが
オススメは
ルートラボ。今回もこれで説明していきます。
利点としては操作が簡単。描いたルートには高低差表示付き。
そしてGPXやKMLファイルとして出力出来て他のサービスとの連携もGood。
ルートラボの携帯での画面
詳細地図と広域地図の表示ただ、重大な問題点が1つあります。
上の図を見てもらう通り、
「田舎になると詳細なマップが用意されていない。」これはイコール、詳細にルートを描けないということです。
地方街道になると
山の峠区間での詳細マップがない場合があります。
もちろん広域マップでルートは引けるのですが
迷いやすい山道は詳細でないと不安です。
そこで、これを補う方法としては
ヤマレコの「山行計画」の地図を利用すると良いでしょう。
ヤマレコの「山行計画」でのルート作成操作は少しややこしいのが欠点ですが
利点としてはルートラボとほぼ同等です。
むしろヤマレコは山の地図がベースに使われているので
山(峠)の区間はヤマレコのほうが有利かもしれません。
今回、ルートを描くのに2つのサイトを紹介しましたが
私は時と場合によって使い分けています。
(1)まずルートラボで歩く街道の全区間を詳細地図表示させる
(2)全区間詳細地図で表示されている。→ルートラボで作成
(3)少しでも詳細地図がない場所がある。→ヤマレコで作成このように基本はルートラボです。何せ簡単ですから。
ヤマレコで作成したルートもGPXファイルとして
ルートラボにインポートすることができます。
以下の図のように1か所にまとめておくと何かと便利でしょう。
ヤマレコで作成したデータはGPSの記号が付くこれでルート作成が完了しました。
プリントアウトするなりスマホに入れるなりして歩きましょう。
オススメはスマホを用いた歩き方です。
GPSで現在地が常にわかるというのは大きな利点で
ルートをスマホに取り込んで歩くと迷うリスクは格段に減ります。
アプリ”FieldAccess”の基本画面アプリとしてオススメは
iPhoneアプリである”FieldAccess”。
有料ですが使える機能が多すぎます。
・現在地の把握。高低差の把握。
・マップはGoogleマップの他に登山用の地図も使用可能。
・歩いた軌跡を記録するGPSロガー機能。
・電波がない場合に備えて地図を前もってダウンロードしておける。
・古い航空写真を現地でも簡単に切り替えて見ることができる。以下に以前に書いた記事ですが
利点をわかりやすくまとめてあります。↓
昔の航空写真を簡単に切替て見れる神アプリ
http://borabora.seesaa.net/archives/20130412-1.html
現代の同じ場所の航空写真
同じ場所の航空写真。昭和50年代に一発切り替え。iPhoneにルートを取り込むにはGPXファイルが必要です。
作成した街道ルートの画面のどこかに作成ボタンがあるはずです。
ルートラボだと地図の少し下のあたりにありますね。
GPXファイルを用意出来たらiPhoneへの取り込み作業。
この点はサポートサイトに詳しく書いてあるのでここでは割愛します。
http://dendrocopos.jp/cgi-bin/rigidboard.cgi?fieldaccess+manual+Tmanual:n16紹介されている例ではDropBoxを用いる方法ですが
自分のiPhone宛のメールにGPXファイルを添付する方法もあります。
試しにメールでやってみてください。
FieldAccessアプリをiPhoneにインストールしてあれば
添付してるファイルをクリックするとFieldAccessのボタンが現れ、
それをクリックするだけで取り込み完了。実に超簡単です。
取り込みが終わると
緑の線で歩くルートが表示されます。
途中の立ち寄り地や道標や常夜灯など前もってメモしておきたい場合は、
ピン機能を使って目印を付けることもできます。
ピンについてはこのページに詳しく書かれています。
http://dendrocopos.jp/fieldaccess/_droppin
ヤマレコでの街道歩き記録の一覧さて、ここからは歩き終わってからの話をしましょう。
街道歩きの楽しみ方は人それぞれですが
私としては道の調査の他に写真撮影にも重きを置いています。
家に帰ってから早く記録整理してWeb上にまとめておきたいものですが
手間がかかることをしていればデータが溜まる一方です。
そこでオススメは「ヤマレコ」です。
その名の通り山歩きが主体のサイトですが
街道歩きの記録として使ってる人も多くいます。
利点としては
・テンプレート形式になっているので簡単登録
・ルート上に写真を自動的にマッピングできる
・GPSデータを取り込めば高低差がある軌跡が一目瞭然
・今まで歩いたルートを全表示でき蓄積できるこのように簡単に出来るってのが良いです。
ブログだとなかなかそういうわけにはいきません。
歩いた軌跡ですが歩いているときに
GPSロガーをONにしておけば軌跡が記録されていきます。
この機能は先ほど紹介したiPhoneアプリである”FieldAccess”にも実装されてますし
高機能なガーミン社のロガーでも記録することができます。
実際のヤマレコへの軌跡の登録作業については下のページが詳しいです。
http://dendrocopos.jp/cgi-bin/rigidboard.cgi?fieldaccess+manual+Tmanual:n12
”FieldAccess”のロガー機能は「GPS記録開始」を押すだけせっかく撮った写真を手元に置いておくだけは少し勿体無いもの。
ブログの他にInstagramやGoogle+といったサイトも使ってみると
街道での感動を他の人とも共有出来て実に楽しいものです。
・Google+
「街道風情を楽しむ会」 ・Facebook
「街道見どころポイントを集めよう」 ・Instagram
にゃおすけ個人のページ http://instagram.com/yaonyaosuke2・Runkeeper
にゃおすけ個人のページ http://runkeeper.com/user/yaonyaosuke2/Runkeeperは道中でのペースなどを記録できるアプリです。
GPSロガーとまた違った楽しみがあります。いわば現代版の万歩計。
Runkeeperは歩き以外も記録することができる以上、ここまでいろいろ書いてきましたが
街道歩きは人それぞれ楽しみ方は千差万別です。
あくまで参考やヒント程度にしておいてもらえると幸いです。
最後にまとめとして、
計画→歩き→記録の流れを時系列にしておきます。
★行きたい街道が見つかった!
↓
★調べる (ネット→本→図書館の順。ネットのみの場合もあり)
↓
★行程の作成 (完成後はルートをiPhoneに取り込んでおく)
↓
★日にちの設定、交通機関と宿の確保
↓
★出発3日前には荷物の準備 (日帰りの場合は前日の時も)
↓
★歩く
↓
★歩き終わって2,3日中にヤマレコへアップ (忘れないうちに)
↓
★歩き終わって1週間以内にブログ記事の下書き。時を見てアップ
↓
★時を見てInstagramやFacebookなどに写真をアップざっと、こんな感じでしょうか。
あと記録的には
・ルートラボ (一覧にある街道ルートは歩く前に作った下書き程度のもの)
・ヤマレコ (歩いてからの実地調査も含むのでほぼ完成に近い形)
・ブログ (写真を含めての感想を中心にわかりやすく)なので仮に私の記録を参考にして頂けるのであれば
ヤマレコにある一覧が実地調査込みなのでオススメです。