2014年03月26日

北国街道その4・福井城下→金津宿

10月3連休は北国街道を歩いてきました。

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↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

福井城のまわりを囲むように進む街道。

かつての城はかなり立派だったようで
堀が幾重にも張り巡らされていたのだそうです。

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北国街道の名前がありました。

なにげない商店街の道なのですが
なんだか嬉しくなっちゃいますね。

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街道はいろんな人が通ります。
城下での街道は常に警戒されていたようです。

道が複雑に入り組んでいるのもその名残り。

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福井城下の北には加賀口御門がありました。

各街道と通ずる福井城下への入口には門があり
特に加賀口御門は外様大名の前田氏に通じるので
付近の住民は鍛え上げられた精鋭集団が置かれるなど
あらゆる対策が施されていたようです。

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さて、福井城下を抜け九頭竜川を渡ります。

かつて川の両側には宿場があり
堤防上には石碑など遺構が並べられてました。

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今は立派な橋が架かっていますが
昔は舟をずらーと横に並べて鎖で繋げて
その上を歩いていくという方式だったのだそうです。

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実はこれも前田氏対策。
攻められたらいつでも壊せる舟橋は
てっとり早い防御手段だったのでしょう。

加賀への警戒感の名残りが
今でもあちこちで垣間見ることができます。

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この警戒ぶりって
他の街道ではあまりないですよね。
福井城の南と北での違いっぷりも凄いものです。

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福井平野の真っただ中の道を進みます。

この日はまるで冬のような天候でして、
日本海側で発生した雲がもくもくと湧いてる状況は
冬の鉛色の空そのものでした。

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九頭竜川からは農業用水が多く引かれています。
江戸時代からの古いものもあるそうです。

街道はその水路に沿って進むのが
丸岡あたりまでの北国街道の風情でもあります。

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振袖地蔵さん。

田んぼの中にひっそりいらっしゃいました。
松もあって良い雰囲気です。

このお地蔵さんは
天保の大飢饉のときに建てられたそうです。

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思えば福井に入ってからというもの
このような天保の飢饉の供養碑が多いですね。

あと多いといえば親鸞聖人の聖蹟。
南無阿弥陀仏の石碑もその一つでしょう。

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下関の一里塚が田んぼの中にポツンと。

これは農地改良で道筋が変わったからで
今でも大事に塚が残ってるのは嬉しいですよね。

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一里塚の近くの七曲り。

農地改良されてないと
こういう道筋だったのだそうです。
北側の半分だけ昔のまま残っていました。

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まもなく金津宿。
すぐ近くには芦原温泉があります。

金津宿自体は川を挟んで
2つの集落で形成されていたようで、
それぞれ役割が違っていたのだそうです。

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それにしても
川のある宿場は風情があっていいですね。


posted by にゃおすけ at 18:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 北国街道(北陸道) | 更新情報をチェックする

2014年03月19日

竹田街道・伏見→三条大橋

京都風情あふれる竹田街道。
伏見から三条大橋まで歩いてみました。

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↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

奈良から北上してくると
伏見で伏見街道と竹田街道の2つに分かれます。

どちらの道も立派な街道なのですが
それぞれに特長がありました。

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伏見街道は大名行列も利用したように
人が歩くことに適した街道でした。

対して竹田街道はというと
物流に主体にした道であったようです。

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もともと伏見という町は
東海道の宿場町でもあり淀川への港町でした。

絶好な利便性から京都市内からの荷物は
竹田街道を通り伏見で舟に積み大阪・奈良に運ばれています。

そんな物流の動脈だった竹田街道ですが
道には石が敷かれて牛車が通っていたようです。

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車石の名残り

上の写真はかつて敷かれていた車石。
公園の縁石に使われていました。

車石は溝に車輪を通す形状になっています。
これに沿って牛車が通るわけですね。

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さて、歩みを進めましょう。

伏見は水が綺麗な場所でもあります。
そういう場所に多いのが酒蔵です。

竹田街道沿いには
月桂冠で有名な大倉記念館がありました。

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見事な板塀です。
そして京都らしい立派な犬矢来。

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伏見の中心部には竜馬で有名な寺田屋が
街道に沿って建っていました。

寺田屋は元は旅籠。今も泊まることができます。
宿場町らしく他にも多くの旅籠があったことでしょう。

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たんたんと北上していきます。
狭い路地に大型バス。

こういった光景は
昔の町並みが残る京都らしい光景ですね。

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東高瀬川沿いを進む街道。
この辺りは運河が多いのですが
かつては舟も通っていたのでしょうか。

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鴨川を渡り京都市の中心部へ。
遠くには京都タワーが見えてきました。

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京都駅を高架橋で通り過ぎると
七条通りとの交差点。

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ここが手元の資料によると
竹田街道の終点なのだそうです。

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三条大橋。
関西の街道の聖地ですね。
鴨川の流れはいつ見ても癒されます。

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posted by にゃおすけ at 18:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大阪近辺の街道 | 更新情報をチェックする

2014年03月12日

『街道歩きのススメ』 歩行計画でのペースや時間配分

前回はルート作成や調べ方、記録方法を重点的に書きました。

『街道歩きのススメ』ルート作成から実践、記録まで。
http://borabora.seesaa.net/article/385760812.html

人の歩行速度は1kmあたり15分ぐらいでしょうか。
これを目安に計画を立てていくと簡単で良いのですが
街道歩きは歩き以外にも魅力があるで単純にはいきません。

現地での思わぬ発見や寄り道、
名物茶屋での一服や人とのふれあいなど
こういうことをあらかじめ予想して計画を立てていると
余裕をもった街道歩きが出来るのではと思います。

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街道歩きは懐かしい光景がいっぱい。

街道歩きの楽しみ方や目的は人それぞれです。
中には筋トレがてらの人もいるでしょう。

まずは私のスペックを書いておきます。

年代:30歳代後半
目的:懐かしい光景や歴史との出会い。写真、観光、名物。
歩行力:20kmぐらいは疲れなし、100キロウォークに参加経験あり。


歩行力を見ると一見脚力があるようにみえますが
街道を歩き始めた当初は10kmでもバテバテでした。

歩行計画を立てる上で1番重要なのは
各人それぞれの歩行力にあった計画を立てることです。

スケジュールに縛られることなく
行き当たりばったりの街道歩きは楽しいものですが
無理な計画を立ててしまうと足が動かなくなった時が大変です。
特に峠道や近くに公共交通機関がない場所は注意が必要でしょう。

そういうことから始めは15キロ程度の距離から計画を立てていき、
慣れたら少しずつ距離を伸ばしていくと良いと思います。

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では、具体的な例をあげて説明していきます。

高野街道(河内長野〜高野山)
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=cb47ec6a720f65fe53b727290d2aca7c

上のURLを表示させてみてください。

前半は町歩き→緩やかな上り勾配と国道歩き→1つ目の峠。
峠からの下り道→平坦な区間→再び山道へ。
こんな感じでイメージできると思います。

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上が全ルートマップ。下が高低差を表しています。

総距離は35キロ。
こう長い距離の計画はどう立てるのか?
私の場合はまず約4kmごとに目印となる場所を決めていきます。

目印は歩いてて気づきやすい場所が良いでしょう。
鉄道の駅や交差点、寺、神社、コンビニ、
そして観光予定の名所や食堂などがオススメです。

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これだとコンビニを目印にすると良いですね。

★河内長野 (目印は『駅』に設定)
↓8.1km
★天見駅付近の出合ノ辻交差点 (目印は『交差点』に設定)
↓4.3km
★紀見峠駅付近のローソン (目印は『コンビニ』に設定)
↓6.1km
★橋本の追分 (目印は街道との追分にある『道標』に設定)
↓4.5km
★学文路駅付近の踏切 (目印は『踏切』に設定)
↓7.3km
★紀伊細谷駅付近  (目印は『駅へと続く道の交差点』に設定)
↓4.7km
★金剛峰寺 (目印は『寺』に設定)


中には4km以上になっている区間がありますが
そういうところも本当は4kmぐらいにしておいたほうが無難です。

と、いうのも、あまりに目印と目印との距離が長くなってしまうと
実際に歩いた時に「まだかーまだか」の気分になってしまいます。
あと、区間毎の時間計算が難しくなるというのもあります。

目印は時には1kmや500mで設定する時もあります。
短ければ短いほど区間タイムの予想がつきやすいのは良いのですが
行程を作る上で大変さが増します。この辺りは臨機応変にいきましょう。

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ルート図をクリックすると距離が表示され目安になります。

では次のステップ。
区間毎のタイムをどうやって計算していくのか。

まずは平地を普通に歩くスピードを
1km15分と仮定して考えていきましょう。

人それぞれ体力差があるので
ここからプラスマイナスをしてみてください。
健脚な方なら1km10分〜12分ぐらいではないでしょうか。

以下の表は私がいつも用いている計算表です。
歩行力が1km15分の人もこれで良いかと思います。

1km 20分
2km 40分
3km 50分
4km 1時間10分
5km 1時間20分


この計算表には写真撮影、ちょっとした小休憩、信号待ち、
現地で知った思わぬ立ち寄り地の時間が含まれています。

逆に含まれていないのは
前もって予定していた資料館見学や食事、観光の時間です。
これらで費やす時間は以下のように別途考えます。

例の高野街道に計算表の時間を当てはめてみると

★河内長野 08:00出発

↓8.1km 2時間20分 (目安表から4km1時間10分×2)

★天見駅付近の出合ノ辻交差点 10:20通過 累計8.1km

↓4.3km 1時間10分 (目安表から4km1時間10分)

★紀見峠駅付近のローソン 11:30到着、11:45出発 累計12.4km (昼食)

↓6.1km 1時間40分 (目安表から1km20分+5km1時間20分)

★橋本の追分 13:25通過 累計18.5km

ローソンでの食事時間は別途15分で考えてみました。
あと、時間の横には累計距離も追記しておきました。

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昼飯を食べたローソン付近の光景。紀伊山地の山々を遠望。

これで行程表が出来ました。
しかしもうひと手間あったほうが良いでしょう。

・急な上り坂が続く道だとプラス5分〜10分
・廃道区間がある場合だとプラス10分〜20分
・宿場内通過する区間の場合だとプラス5分〜20分


逆に単調な国道歩きや田畑の道、急な下り坂は
歩行スピードがあがるので若干マイナスにしておきます。

しかしこのひと手間は経験がものを言うので
私自身もいまだ試行錯誤で悩んでいるところです。
そういうことから激しい峠や廃道区間でない限りは
最初にあげた計算表の時間でだいたい良いのでは思います。

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橋本の追分の道標。道中では良い目印になります。

では、実際に街道を歩いた時の歩行時分で検証しきましょう。

★河内長野 06:35出

↓8.1km 2時間48分 (計画より28分オーバー)

★天見駅付近の出合ノ辻交差点 09:23通過

↓4.3km 1時間17分 (計画より7分オーバー)

★紀見峠駅付近のローソン 10:40着、10:55発 (昼食15分)

↓6.1km 1時間29分 (計画より11分マイナス)

★橋本の追分 12:24通過


最初の区間の28分オーバーは計画的にいけてなかったですね。
それだけ8kmという長めの距離は予想が難しいということでしょう。
それ以外は大体トータルでは計画通りになっていると思います。

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28キロオーバーの原因。まさかこんな良い町並みがあったなんて。

まとめとして、
余裕ありすぎの時間じゃない?という計画だとしても
実際に歩いてみてちょうど良かったことが経験上多い気がします。

時には計画よりも時間が余りまくって目的地に着く時もありますが、
歩き旅なので時間がないよりは断然良いのではと思います。
焦っては事故の元。小走りになって転んで怪我しては大変です。

あと大事なことを付け加えるとするならば気象条件。
炎天下の真夏では行程は余裕をもって作っておくのが肝心です。
給水ポイントは前もってチェックしておかねばなりません。

そう考えると気候が安定する春、晩秋が良いと思いますが
35キロ超えの長距離を歩くなら日が長い春がオススメです。
桜の名所をチェックしておけば花見も楽しめますし。

さいごに。

今回の記事は私の経験に基づいて書いてみました。
こんな考え方があるんだという程度にしてもらえると幸いです。

歩くペースは人それぞれ。楽しみ方も人それそれ。
そこが街道歩きの良いところでもありますね。

では、Enjoy!街道歩き。

posted by にゃおすけ at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 街道歩きテクニック | 更新情報をチェックする