前回はルート作成や調べ方、記録方法を重点的に書きました。
『街道歩きのススメ』ルート作成から実践、記録まで。
http://borabora.seesaa.net/article/385760812.html人の歩行速度は1kmあたり15分ぐらいでしょうか。
これを目安に計画を立てていくと簡単で良いのですが
街道歩きは歩き以外にも魅力があるで単純にはいきません。
現地での思わぬ発見や寄り道、
名物茶屋での一服や人とのふれあいなど
こういうことをあらかじめ予想して計画を立てていると
余裕をもった街道歩きが出来るのではと思います。
街道歩きは懐かしい光景がいっぱい。街道歩きの楽しみ方や目的は人それぞれです。
中には筋トレがてらの人もいるでしょう。
まずは私のスペックを書いておきます。
年代:30歳代後半
目的:懐かしい光景や歴史との出会い。写真、観光、名物。
歩行力:20kmぐらいは疲れなし、100キロウォークに参加経験あり。歩行力を見ると一見脚力があるようにみえますが
街道を歩き始めた当初は10kmでもバテバテでした。
歩行計画を立てる上で1番重要なのは
各人それぞれの歩行力にあった計画を立てることです。
スケジュールに縛られることなく
行き当たりばったりの街道歩きは楽しいものですが
無理な計画を立ててしまうと足が動かなくなった時が大変です。
特に峠道や近くに公共交通機関がない場所は注意が必要でしょう。
そういうことから始めは15キロ程度の距離から計画を立てていき、
慣れたら少しずつ距離を伸ばしていくと良いと思います。

では、具体的な例をあげて説明していきます。
高野街道(河内長野〜高野山)
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=cb47ec6a720f65fe53b727290d2aca7c上のURLを表示させてみてください。
前半は町歩き→緩やかな上り勾配と国道歩き→1つ目の峠。
峠からの下り道→平坦な区間→再び山道へ。
こんな感じでイメージできると思います。
上が全ルートマップ。下が高低差を表しています。総距離は35キロ。
こう長い距離の計画はどう立てるのか?
私の場合はまず約4kmごとに目印となる場所を決めていきます。
目印は歩いてて気づきやすい場所が良いでしょう。
鉄道の駅や交差点、寺、神社、コンビニ、
そして観光予定の名所や食堂などがオススメです。
これだとコンビニを目印にすると良いですね。★河内長野 (目印は『駅』に設定)
↓8.1km
★天見駅付近の出合ノ辻交差点 (目印は『交差点』に設定)
↓4.3km
★紀見峠駅付近のローソン (目印は『コンビニ』に設定)
↓6.1km
★橋本の追分 (目印は街道との追分にある『道標』に設定)
↓4.5km
★学文路駅付近の踏切 (目印は『踏切』に設定)
↓7.3km
★紀伊細谷駅付近 (目印は『駅へと続く道の交差点』に設定)
↓4.7km
★金剛峰寺 (目印は『寺』に設定)中には4km以上になっている区間がありますが
そういうところも本当は4kmぐらいにしておいたほうが無難です。
と、いうのも、あまりに目印と目印との距離が長くなってしまうと
実際に歩いた時に「まだかーまだか」の気分になってしまいます。
あと、区間毎の時間計算が難しくなるというのもあります。
目印は時には1kmや500mで設定する時もあります。
短ければ短いほど区間タイムの予想がつきやすいのは良いのですが
行程を作る上で大変さが増します。この辺りは臨機応変にいきましょう。
ルート図をクリックすると距離が表示され目安になります。では次のステップ。
区間毎のタイムをどうやって計算していくのか。
まずは平地を普通に歩くスピードを
1km15分と仮定して考えていきましょう。
人それぞれ体力差があるので
ここからプラスマイナスをしてみてください。
健脚な方なら1km10分〜12分ぐらいではないでしょうか。
以下の表は私がいつも用いている計算表です。
歩行力が1km15分の人もこれで良いかと思います。
1km 20分
2km 40分
3km 50分
4km 1時間10分
5km 1時間20分この計算表には写真撮影、ちょっとした小休憩、信号待ち、
現地で知った思わぬ立ち寄り地の時間が含まれています。
逆に含まれていないのは
前もって予定していた資料館見学や食事、観光の時間です。
これらで費やす時間は以下のように別途考えます。
例の高野街道に計算表の時間を当てはめてみると
★河内長野 08:00出発
↓8.1km 2時間20分 (目安表から4km1時間10分×2)
★天見駅付近の出合ノ辻交差点 10:20通過 累計8.1km
↓4.3km 1時間10分 (目安表から4km1時間10分)
★紀見峠駅付近のローソン 11:30到着、11:45出発 累計12.4km (昼食)
↓6.1km 1時間40分 (目安表から1km20分+5km1時間20分)
★橋本の追分 13:25通過 累計18.5km
ローソンでの食事時間は別途15分で考えてみました。
あと、時間の横には累計距離も追記しておきました。
昼飯を食べたローソン付近の光景。紀伊山地の山々を遠望。これで行程表が出来ました。
しかしもうひと手間あったほうが良いでしょう。
・急な上り坂が続く道だとプラス5分〜10分
・廃道区間がある場合だとプラス10分〜20分
・宿場内通過する区間の場合だとプラス5分〜20分逆に単調な国道歩きや田畑の道、急な下り坂は
歩行スピードがあがるので若干マイナスにしておきます。
しかしこのひと手間は経験がものを言うので
私自身もいまだ試行錯誤で悩んでいるところです。
そういうことから激しい峠や廃道区間でない限りは
最初にあげた計算表の時間でだいたい良いのでは思います。
橋本の追分の道標。道中では良い目印になります。では、実際に街道を歩いた時の歩行時分で検証しきましょう。
★河内長野 06:35出
↓8.1km 2時間48分 (計画より28分オーバー)
★天見駅付近の出合ノ辻交差点 09:23通過
↓4.3km 1時間17分 (計画より7分オーバー)
★紀見峠駅付近のローソン 10:40着、10:55発 (昼食15分)
↓6.1km 1時間29分 (計画より11分マイナス)
★橋本の追分 12:24通過最初の区間の28分オーバーは計画的にいけてなかったですね。
それだけ8kmという長めの距離は予想が難しいということでしょう。
それ以外は大体トータルでは計画通りになっていると思います。
28キロオーバーの原因。まさかこんな良い町並みがあったなんて。まとめとして、
余裕ありすぎの時間じゃない?という計画だとしても
実際に歩いてみてちょうど良かったことが経験上多い気がします。
時には計画よりも時間が余りまくって目的地に着く時もありますが、
歩き旅なので時間がないよりは断然良いのではと思います。
焦っては事故の元。小走りになって転んで怪我しては大変です。
あと大事なことを付け加えるとするならば気象条件。
炎天下の真夏では行程は余裕をもって作っておくのが肝心です。
給水ポイントは前もってチェックしておかねばなりません。
そう考えると気候が安定する春、晩秋が良いと思いますが
35キロ超えの長距離を歩くなら日が長い春がオススメです。
桜の名所をチェックしておけば花見も楽しめますし。
さいごに。
今回の記事は私の経験に基づいて書いてみました。
こんな考え方があるんだという程度にしてもらえると幸いです。
歩くペースは人それぞれ。楽しみ方も人それそれ。
そこが街道歩きの良いところでもありますね。
では、Enjoy!街道歩き。