今回は街道シンポジウムの一環で歩いてきました。
↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。
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西国街道との分岐点に立つ道標。
「是より右 さいこくみち」
「是より左 あかう城下みち」
相生の駅前は区画整理された影響で
元の位置から大きく移設されています。
のどかな道が続き、
川を渡ると相生の町は終わり。那波の集落です。
町の中心と思われる場所には
道路元標があり立派な家々が連なります。
那波は名前のとおり
海に近く港への道が分岐していました。
上の写真のような大きな井戸を
あちこちで見かけることが出来ます。
特に赤穂市街は「赤穂上水」が町を張り巡らされていて
面白いことに湧き出る水を使用するのではなく
川の上流の水を上水で運んで貯めておく為の井戸だったそうです。
赤穂上水は日本三大上水の一つ。
備前焼の土管が使われてたり実に興味深いものです。
さて、街道シンポジウムなんですが
何人かの仲間と集まってわいわい楽しもうというもので
彦根、近江八幡、伊賀上野に続き今回で4回目の開催です。
どんな活動なのかというと、
下の動画を見てくださると一発です。
今回の赤穂街道は地方街道であるので
資料が少なく検討するのが大変だったんですが
古地図を広げ皆で知恵を出して検討していると
往時の道を浮かび上がらせることができました。
赤穂街道の難所は高取峠です。
ゆっくりと勾配をあげていく峠道。
行く手には旧道の案内看板もあり雰囲気が出てきます。
峠付近の旧道は国道が作られた際に
削られで跡形がない場所が多くなっています。
旧道と獣道(旧道消滅区間)とを交互に進んで行くのですが、
一見同じように見える山道でもよく見るとどこか違うものです。
たとえば、この苔むした石積み。
これは明らかに手を加えて作ったものなので
こういう遺構は大抵は旧道である可能性が高いです。
あと、路盤が安定していたり
道幅が広かったりと様々な特色があるものですが
見分け方の第一のポイントとしては
多くの人がそこを歩いたという点でしょうか。
高取峠
街道は幹線で物流の要でもあったので
あまりに険しい場所は多くの人は歩かないもので、
単なる山道である可能性が高いといえます。
街道でも険しい場所はあることはあるのですが
そういう場所は名所になっていて(東海道さった峠など)
たいがい文献や絵図に残っていたりするものです。
高取峠から下って行くと
整備された旧街道が現れます。
赤穂の町が見えてきました。
峠方向を振り向いて。
ぐんぐんと道なりに進むと
やがて千種川が見えてきます。
赤穂街道を道筋を調べる上で
どこで川を渡っていたかがポイントでした。
赤穂の歴史資料館で問い合わせたり、
川の専門家より千種川の歴史を紐解いていくと
下流域で川筋が2手に分かれてた事実が見えてきました。
その川筋の影響によって
一般的に利用された渡しの場所が時代で違ったようで、
今回のルートは元禄時代までのルートにあたります。
いわば、赤穂浪士も利用したであろう道筋です。
現在の坂越橋のあたりが元禄までのメインの舟渡しで
今も川岸にはそれっぽい遺構が確認できます。
上の写真の大きな石がおそらくそうではないかと思います。
坂越橋を渡る前に
坂越の町並みに寄り道してみました。
街道筋から少し離れますが
坂越は赤穂と違って天然の良港に恵まれて
多くの船で賑わっていたといいます。
今も立派な家々に面影が残っていて
のんびりした風情を味わうことができました。
橋の柵に渡し船の図柄。
城下への道筋を進みます。
渡し船で渡ってしまえば平坦な道が続くわけですが
先ほど書きました川筋が2手に分かれていた点に注目です。
かつての川の跡が街道筋を横切っているわけですが
その横切った付近では若干のアップダウンを確認できます。
上の写真の場所はおそらく堤防跡なのでしょう。
赤穂の町に入ってくると
大きなショッピングセンターの中を通らねばなりません。
このショッピングセンターの前身は巨大な工場でした。
明治の早い段階にはすでにあったようです。
工場の面影はショッピングセンター出口付近にあった
大きなコンクリートの壁。形から見て戦前製のものでしょうか。
写真を撮ってなかったのが悔やまれます。
城下は千種川の本流の能見川が流れていた影響で
その名残をいくつか見ることができます。
中州という地名もその一つ。
ここには城門があって
付近には船溜まりもあったことが古地図に描かれています。
息継ぎ井戸付近が赤穂の道路元標の場所にあたります。
道筋は赤穂城内へと続いています。
その距離500mほど。
この場所は息を整えるには
ちょうど良い場所であったことがわかります。
牡蠣の食べ放題。蒸し牡蠣オススメ。
赤穂街道は坂越に寄り道しても
トータルで20kmも満たない距離で手頃です。
峠あり海あり城下ありと
これほどまでバリエーション豊富な街道は
あるようでなかなかないものです。
気軽に歩ける赤穂街道。
ハイキングに是非お勧めしたい道です。