2016年05月27日

伊勢南街道その7・大石→松阪宿

2016年初歩きは伊勢南街道。

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↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

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広い構内をもつ大石バス停(フェンスの部分)
元々は松阪とを結ぶ鉄道の駅でした。

鉄道は勾配を避けるために
川沿いを大回りするルートを通っているのですが
街道は鳥羽見峠を通る道筋になっています。

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乞食坂。

なだらかな勾配が続きます。
この先の分岐点は左が正解と思われます。

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大半の資料では右と書いてるのが多いのですが
明治初期の地図を見ると実は存在しない道なのです。

どっちが正しいのか。
資料を作った人も考えてのものと思うのですが
道がない以上は信憑性にかけちゃいますね。

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さて、柿野神社から重複していた伊勢本街道とは
鳥羽見峠を前にして左右に分かれます。

地蔵型の道標には
右、山田六里、左、松坂三里。

あと12kmほどの道のりです。

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鳥羽見峠への道筋は一部消滅しているようで
本来の峠入口は藪で酷い有り様でした。

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結局は迂回路を使うことになったのですが
こちらは遊歩道として整備され歩きやすい道でした。

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左手に北谷池が見えます。
別名で鳥羽見池。

1883年に出来た人工の池で
灌漑目的で作られたようです。

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峠の手前から旧道が復活。
立派な切通しがある雰囲気ある峠道です。

鳥羽見峠には広場があって
祠(とりまめさん)がありました。

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真冬とは思えないのどかな光景。
今年の正月は実に穏やかな気候でした。

獣除けの扉を開いて七曲りに入ります。

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七曲りは山裾の道で
名前の通りウネウネとした道筋です。

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この先に瀬戸峠があるのですが
峠と峠に挟まれた谷間という風情があります。

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瀬戸峠。
車を通すために随分と改良されています。

この先は阪内川に沿って進みます。

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紀州の文字がある大きな道標。

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左、紀州道、右、まつ坂。
ここは多気道との分岐点になります。

こんな三重の山の中に紀州の文字なんて
今の時代では不思議な感覚になるものですが
江戸時代の当地は紀州藩だったわけで
当たり前の感覚だったのではと思います。

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歩いているとほんと暖かい。

左右に特長ある小山が続いています。
脇谷城や大河内城など北畠氏の城です。

特に大河内城は織田信長と50日戦ったことで有名で
養子(信雄)を貰うことで和睦になっています。

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左 大師道。

丹生大師と呼ばれる神宮寺への道筋です。
この右側にも小さな道標がありました。

大河内神社を過ぎると
阪内川の川幅は随分と広くなってきます。

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松阪の市街地に入ったあたりの旧道は
蒲生氏が敷設した雷光型街路の名残があります。

村中安全、永代常夜灯、五穀成就。

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旧近鉄伊勢線の新松阪駅跡を過ぎて
熊野道との追分を過ぎるとゴールも間近。

右、わかやま道 左、さんぐう道。

立派な道標に迎えられてのゴールです。
ここで伊勢参宮街道と合流します。

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伊勢南街道としては田丸への支線が残っていますが
踏破しての全体的な感想をいくつか。

まず資料が少ない。
伊勢へ続く街道の中ではトップクラスの少なさです。
先人の記録に何度となく助けられました。

2つに交通の便が悪い。
高見山付近は過疎地帯なので
バスが平日のみの運行だったりします。
よって宿泊の旅になるので宿の確保が大変だったこと。

この2点が主だった大変さでしたが
逆に廃道になってる場所は意外と少なく
全体的に予想していた以上に歩きやすくて驚きました。

また昔の風情が多く残っているのも特長的でした。
中央構造線沿いを歩くというダイナミックさもあるので
街道的に面白い部類に入るのではと思います。


  
posted by にゃおすけ at 10:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 伊勢への街道 | 更新情報をチェックする

2016年05月12日

伊勢南街道その6・七日市宿→大石

中央構造線沿いに進みます。

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↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

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伊勢南街道を攻略しようと考えるとき
一番ネックになるのが交通の問題です。

昔は山奥でもバスが走っていたのですが
過疎化で大部分がなくなってしまっています。

そんなことで
今回は自家用車で現地入りしました。

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道の駅飯高駅に車を置いて、
バスで前回の終了地点に向かいました。

キーンと冷えた早朝の空気。
三峰山の頂上付近を眺めてみると
うっすらと雪があるのが確認できました。

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旧道は櫛田川に沿って下っていきます。

川沿いは中央構造線にあたるので
岩肌が実にダイナミックです。

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周辺には茶畑が非常に多いです。
露よけの扇風機が勢いよく回っていました。

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この石仏は「咳の地蔵」。
咳が止まらずに悩んでいる人は
早朝に人に知られずに参るとご利益があるそうです。

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櫛田川には所々に沈下橋がかかっています。

九十九曲と呼ばれる所は川が大きく蛇行していて
川に平行する街道も崖にへばりついて進んでいきます。

今の時代は整備された道筋も
かつては相当な難所だったといいます。

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田引集落を過ぎると珍布峠に入ります。

ウォーキングコースになっているので
入口に立派な看板がありました。

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珍布峠の読み方は「めずらしとうげ」
なかなかの難読ですよね。

峠といっても勾配は緩やかで
上りを実感することなく峠に辿りつけます。

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川沿いにあった大きな石は礫石(つぶていし)

この石に向かって小石を投げると
男子が生まれるという言い伝えがあります。

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立派な切通しの珍布峠。

車一台がやっと通れるほどの幅で、
岩が完全に真っ二つに切り裂かれた姿は
なんともいえない凄みがありますね。

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峠を過ぎると宮前宿。

宿場の入口には道標がありました。
紀州みち、よしの、かうや、なら、はせ。

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宮前宿の名前のいわれは花岡神社です。
街道は神社の周りをぐるりと通っています。

宿場は伊勢らしい家が立ち並び
なんともいえない雰囲気です。

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伊勢の家は注連縄を年中飾ってることが多いですが
見かける度に伊勢神宮が近いことを実感させられます。

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かつて「オオセン」という店があった「オオセン坂」を過ぎ、
江戸時代に作られた高束池を過ぎると
分岐点の粥見に差し掛かります。

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粥見神社の前には道標があります。
さんぐう、まつさか道。

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松阪には紀州藩の支城「松阪城」が
参宮方面には紀州藩の支城「田丸城」があり、
どちらも紀州藩にとって重要な道です。

今回は松阪方面に向かいました。

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粥見の先には山越えがあります。大見坂です。

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国道は川沿いですが鋭い渓谷状になっているので
当時の技術では通すことが出来ず迂回する形になってます。

若干、荒れていましたが難なく向こう側に出れました。

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柿野神社で伊勢本街道と合流します。

櫛田川の川幅もこの辺りになると広くて
大きな石がごろごろあるのが印象的です。

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柿野の集落。
街道自体は1本山側の道という説がありますが
既に2回歩いているので今回は国道を歩いています。

この付近の詳細は伊勢本街道歩きの記録をご覧ください。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-244762.html

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ゆったりした流れの櫛田川。
ほどなく本日のゴール大石バス停に到着です。


posted by にゃおすけ at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 伊勢への街道 | 更新情報をチェックする