2018年11月14日

私の街道歩きの履歴書 〜後編〜

街道歩き人生を振り返る後編です。

藪に目覚める 〜2012-2013年ごろ〜

無事に中山道を踏破すると
次なる目標を五街道制覇と設定しました。

街道の資料に関しては書店の本やネットの情報だけでなく、
今井金吾氏の本を購入したり図書館に足を運んだりと
一歩踏み込んだ資料収集を始めます。

街道歩き自体は毎週末という頻度で歩くようになり、
近場の街道だけでなく中距離街道にも手を出し始め、
伊勢や高野山、熊野への街道も踏破対象になっていきます。

伊勢本街道その1・奈良公園→榛原
http://borabora.seesaa.net/article/343189570.html

こうも毎週のように街道歩きが出来たのは
大阪に住んでいたということが一つの理由でしょう。
奈良や京都が近いことで古い街道や巡礼路が豊富にあって、
交通の利便も良く、思い立ったら歩けるのはラッキーでした。

このようにあらゆる道に手を広げていくと
中には消滅しかかった区間がどうしても出てきます。
昔のルートに沿って出来るだけ歩きたい自分にとっては
藪になっていようが入っていくようになっていきます。

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道筋がわかりづらい道でも「ここが街道だ!」とわかるのは
事前の資料収集やiPadのGPSによる現在地表示の助けが大きいのですが、
自分自身の旧道を見極める能力が育ってきたのも大きな一因でした。

この能力はこれまで様々な街道を歩いてきての成果で
知らずに知らずの間に目が肥えてきたものでしょう。

この結果、「そこが街道だ!怪しい!!」と思ったら
事前に調べたルート以外の道にも入っていくことが多くなり、
自然と藪道にも突入していく回数が増えていきました。

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装備面で気を遣うようになったのはこの頃です。

夏の炎天下では菅笠をためしてみたり、
靴やリュックなど歩きに適したものを試行錯誤してみたり、
どうすれば快適に歩けるかを追求する日々でした。

先人の知恵!究極の熱中症対策”菅笠”とは。
https://matome.naver.jp/odai/2137507438300681601

体力面でも変化がおき始めます。
30km歩いても疲れないという不思議な現象です。
このおかげで歩き計画は30km超えが多くなっていきました。

また、この体力の変化を他でも試してみたいと思い、
フルマラソン100kmウォークにも参加していくことになります。

街道歩きは完全デジタル化の時代へ 〜2013-2014年ごろ〜

愛用してきたiPadは重くて不自由だったので
iPhoneの新機種買い替えを機に引退となりました。

やはりiPhoneはコンパクトさが利点。
道中ではルートの表示、軌跡の記録、写真撮影、
行程の確認、SNSへの投稿など多くのアプリを動かすので
性能アップは歩きをさらにスムーズにさせてくれました。

このタイミングで出会った革命的アプリが「FieldAccess」でした。

『街道歩きのススメ』歩きに便利なアプリ
http://borabora.seesaa.net/article/456597813.html?seesaa_related=category

見やすいルートの表示に全体の高低差も一目瞭然。
昔の航空写真も表示できるので現地での比較がバッチリ。
道標などの場所のメモ機能(ピン立て)が充実。などなど。

現在は更新が止まってしまったので「スーパー地形」が有能ですが
今でも使いやすさの点ではオススメできるアプリです。

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性能の良いiPhoneはさらなる革命ももたらしました。
ペーパーレス時代の到来です!

調べる際に使用した本のページはスクショしてiPhoneに保存。
現地でわからないことがあればネットで検索することで
本の類は一切持って歩くことがなくなりました。

ただし、怖いのはバッテリー切れなどのトラブルです。
対策で予備のバッテリー、本体はリュックに忍ばせています。

充実してくる資料群 〜2014-2017年ごろ〜

ちょうどこの頃からは
公的機関による古地図の公開が増えてきて
先人の歩いたブログなどもネットに溢れてきました。

そのおかげで予習がしやすくなったのはいいのですが
資料が多くなった分、予習に割く時間も増えていきました。

『街道歩きのススメ』 旧道を調べる革命的方法
http://borabora.seesaa.net/article/441535596.html

Twitterなどでの情報交流もさらに活発化していきます。

その一つに「ガチ連」という集まりがあるのですが
3か月に一度の割合でメンバーで実際に街道を歩いたり、
プレゼンをしたりして知識を高めあっていくものです。

個性的な考えの面々の集まりなので面白いもので
気づけばもう5年近く活動していることになります。

第13回 街道歩講 信楽シンポジウム
https://togetter.com/li/1117070

五街道制覇。そして未来へ 〜2017年ごろ〜現在〜

西国街道や北国街道といった長距離街道も踏破し
平成29年のGWに五街道踏破を成し遂げました。

次なる目標は

長崎街道
熊野古道大辺路の続き
有馬街道の続き などなど

歩きたい場所が多数ありますが現在は子育て優先のため
気軽に歩きにいけない環境になってしまっています。

いずれ復活することにはなるのですが
それまでの間はこれまでの歩きを振り返って
今まで撮りためた写真を公開していこうと考えました。

街道写真コレクション
http://kaidouaruki.seesaa.net/

日常の風情を写すものは年を重ねるにつれ貴重なものなので
何かの役に立てれるといいなと思っています。

一枚、一枚振り返って見ていると
ここで曲がった!とかここで昼食にした!とか
まるで昨日のことのように思い出させてくれます。

街道歩きはゆっくり時間をかけて歩くものなので
その分、記憶にも残っているのでしょうね。



  
posted by にゃおすけ at 11:54 | Comment(2) | 街道歩きテクニック | 更新情報をチェックする

2018年11月07日

私の街道歩きの履歴書 〜前編〜

街道歩きは歩く度に何かを吸収していきますが
ここでこれまでの街道歩き人生を振り返ってみることにしました。

街道歩きのキッカケ!〜序章・2008-2009年ごろ〜

当時は全国各地を旅行することを趣味にしていて
金曜の夜に出発すれば月曜まで帰らないことが続いていました。

平行して冬はスキーも楽しんでいたのですが
ある日、足を豪快に骨折してしまいます。

げげ!骨折っ!しばらく休養!?
http://borabora.seesaa.net/article/79233800.html

ちょうどその頃、政府は高速道路1000円施策を開始。
ほとんどの区間で1000円乗り放題というものだったので
車での移動は渋滞を伴い観光地も激混みとなって
旅で癒されるどころか疲れに行くようなものでした。

〜いよいよ高速1000円!ETC割引メモ〜
http://borabora.seesaa.net/article/116292080.html

のほほんとした旅が好きなので
旅から少しずつ離れていったわけですが
しばらくして東海道を既に踏破したという知人に
街道歩きを始めてみれば?と誘われます。

もともと旅好きで歴史好きだったし、
歩き旅なら渋滞の心配もないし、
さらには筋力回復にもちょうどいい!
という軽いノリで始めたのがキッカケです。

街道歩き黎明期 〜2009-2011年ごろ〜

一番最初の街道歩きは東海道でした。
メジャーな街道な上に交通の利便が良いことから
何人かで歩くことが多かったように思います。

東海道五十三次その1・日本橋→品川宿
http://borabora.seesaa.net/article/130419380.html

上のブログを見てもらうとわかるように
今の街道記録とは趣が違って旅行記のような感じです。
写真はスナップ程度でほとんど撮っていません。

これは何人かで歩いていることが影響していて
写真を撮るタイミングがなかなか取れなかったことや
自分自身の体力的な問題(10qで疲れていました)
ルートは本を見ながらだったので必死だったこともあります。

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今は綿密に計画を立ててから歩くのですが
当時は大雑把に本を読んで当日を迎えるスタイルで
結果として道に悩むことが結構ありました。
おかげで本は三条大橋に着いた頃にはボロボロでした。

時を同じくして世間では「エボルタ君」が話題になっていました。
ロボットが東海道五十三次をしている様は可愛らしいもので、
ネットでも生中継されて妙なシンクロ感がありました。

これをキッカケにTwitterでのツイート量が増えていきます。
歩くにつれ知識が深まり次第に説明を加えたものが増えていきました。

EVOLTA 東海道五十三次チャレンジ!
http://borabora.seesaa.net/article/164333409.html

東海道を歩いてると中盤に姫街道との分岐点があるのですが
ここで五街道以外にも面白い街道があることを知ることになります。

次なる目標を姫街道と設定したのはいいものの
いざ歩こうとすると資料が少なく悩みました。
結局は本だけに頼らず先人のブログ等を参考にしたのですが
自分で調べて歩くというスタイルはこの頃からだったと思います。

姫街道その1・見付宿→気賀宿
http://borabora.seesaa.net/article/208829751.html

調べたり交流する楽しみ 〜2011-2012年ごろ〜

東海道を踏破した達成感は格別なもので
次は江戸に向かって歩きたいと考え中山道を歩き始めます。

本やブログを参考にしての前調べは慣例化してきてましたが
ネットを活用してワンランク上のルート作成を始めてみました。
現在でも愛用している「ルートラボ」を活用してのもので
作成したルートはiPadに入れてアプリに表示させて歩くようになりました。

にゃおすけのルートラボ
https://latlonglab.yahoo.co.jp/route/list?kw=author%3A%E3%81%AB%E3%82%83%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%91

歩き旅にITを組み入れることによって大きく変わったのは
現在地がすぐにわかる上に軌跡を保存できるという点で
現地での迷いが大幅に減少してスムーズに歩けるようになり、
行程に余裕が出て写真の量や寄り道も増えていきました。

行程に余裕=気持ちに余裕。ということですね。

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ただ、iPadは重量的に軽いものではあるのですが
長時間片手に持って歩くとズシリとくるものがあったり、
落としてはいけないという危機感があったり、
雨の日はカバーをかけたりと気を使ったりもしました。

それでもiPad効果は偉大でした。
街道を歩いてる最中に思ったり考えたりする余裕が増えたことで
その時思ったことを保存しておきたいと考えるようになっていきます。

当ブログでまとめていく方法でも良かったのですが
もっとちゃんとしたデータベース的な場所が良いと考えて
「ヤマレコ」というサイトに記録するようになっていきます。

にゃおすけのヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-20349-data.html

ここでついに!現在の歩きスタイルに通じる
「予習→実行→復習」という王道パターンが完成します。

記録の際は復習を兼ねているわけですが(間違ったことを書けないので)
歩いていて気付かなかったことが結構あるものだと痛感していきます。

こうやって色々と調べていると、
世の中には様々な街道があることを知っていきます。
街道への情熱がどんどん高くなっていく時期だったのですが
中山道の続きを歩きたくても遠方だとなかなか行けず歯がゆい気持ちでした。

そこで少しでも街道成分を補おうと
近場の街道も歩いてみようということになっていきます。
Twitterでの交流が活発になっていったのもこの頃です。

中山道歩きの道中ではフォロワーさんと会えたり、
驚いたことに横断幕を作ってくれる人もいたり、
中山道のゴールでは大勢の出迎えもあったりしました。

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後編につづく



   
posted by にゃおすけ at 13:42 | Comment(0) | 街道歩きテクニック | 更新情報をチェックする