2019年02月19日

『街道歩きのススメ』ひなたGISと最新古地図ネット閲覧事情

街道歩きのルートを調べる際は本や古地図を用いますが
数年前と違い有能なサイトも増えてきて便利になってきました。

その中で今回一番に紹介したいのが「ひなたGIS」です。
宮崎県と関係していることから宮崎県周辺の地図が多いですが
利点は全国の大正期、昭和初期の地図を気軽に見ることができます。

以前紹介したスタ大のサイトでも古地図を公開していますが
歯抜けの部分が多く特に関西は寂しいものです。

ここの大正期の地図は20万分の一なので荒いですが
5万分の一のほうは十分実用に耐えうる精度になっています。
ひなたGISは二画面にも対応して見比べることが出来るのも良い点で
今昔マップなど他の地図データーの表示も可能です。

1.jpg

街道を調べる際で今一番に脚光を浴びてるサイトですが
残念ながら万能というわけではありません。

せっかく歩くならじっくり調べていきたいもので
大正期の地図だと江戸期とは50年近く差が開いています。
この差をいかに調べ上げることが出来るかが
街道歩きルートを考える上で重要なことでしょう。

江戸期に近い明治初期の地図は
国土地理院に申請すれば入手が可能です。
関東周辺なら迅速地図がネットで公開されています。

これらを駆使すると江戸期に近いルートを検討できますが
それでも明治初期のものなので10年〜20年は離れています。
また江戸時代の期間は約400年あるわけですから
どの年代のものなのかの見極めも肝心です。

『街道歩きのススメ』 古地図や資料の調べ方。リンク集。
http://borabora.seesaa.net/article/400848931.html

以前に上の記事を書きましたが今回はその補足として
街道のルート調べに役立つサイトを追記していきます。

「慶長日本図」慶長10 年(1605年)ごろ
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1286203
国立国会図書館デジタルコレクション

「日本六十余州国々切絵図」寛永10年(1633年)ごろ
https://da.apl.pref.akita.jp/koubun/item/00010005/ref-C-119947
秋田県公文書館

「元禄国絵図」元禄15年(1702年)ごろ
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/category/categoryArchives/0300000000/default/00
国立公文書館デジタルアーカイブ

「国絵図」1700年ごろ #名称不明
https://www.u-sacred-heart.ac.jp/library/display_collection/digital_gallaery/Wa291_038_Z3/index.html
聖心女子大学図書館デジタルギャラリー

「天保国絵図」天保9年(1838年)ごろ
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/category/categoryArchives/0300000000/0303000000/00
国立公文書館デジタルアーカイブ

これらの地図では道筋は大まかなことしかわかりませんが
例えば川のどちら側を通っていたかや経由地はどこかなど
大いに参考になると思います。

2.jpg

城下町になると精細な地図が残されています。

「全国城下町絵図」#名称不明
https://www.u-sacred-heart.ac.jp/library/display_collection/digital_gallaery/Wa291_038_Z3_1/index.html
聖心女子大学図書館デジタルギャラリー

町の中心地はどこの場所だったか、
どこをどういう形で旅人が通っていたのかなど
絵図に書かれた家並みなどを見て想定することができます。

城下町絵図については「〇〇、城下、絵図」などで検索すると
あらゆる年代のものがヒットするので比較検討しやすいです。

地図の第一人者である伊能忠敬の地図も忘れてはいけません。

伊能忠敬e史料館(アメリカ議会図書館のものを画像変換)
https://www.inopedia.tokyo/02dataRm/inoh_map_check/ino_daizu.php

伊能図を見るならこのサイトのものが一番見やすいでしょう。
寛政12年(1800年)から文化13年(1816年)に作成されています。

五街道や主要脇街道については分間延絵図が参考になります。

分間延絵図画像検索
https://webarchives.tnm.jp/imgsearch/search?invnum=P-
東京国立博物館

江戸時代の地図に関してはこんなところでしょうか。
あと道標が好きな人って結構いらっしゃるので
公開している道標マップで検討することがあります。

3.jpg

さいごに。実戦的な調べ方として

★ひなたGISや今昔マップを用いてとりあえずのルートを作成

★文献やネットの情報などをチェック

★明治→江戸後期→江戸初期の順に相違点がないか検討

★戦後すぐの航空写真などで確認

★不明な点は現地の歴史資料館などに問い合わせ

問い合わせ例・レファレンス協同データーベース
http://crd.ndl.go.jp/reference/

このような順序を用いると
江戸時代の道筋が見えてくるのではと思います。

近年は博物館の資料をデジタル公開することが増えてきました。
ADEAC(アデアック)というサイトは自治体史や古文書などを
機関ごとに一覧にしているリンク集みたいなものです。

ADEAC
https://trc-adeac.trc.co.jp/

歩こうとする場所の博物館のデジタルデータは有り難いものです。
このサイトにあるリンク以外にも公開しているサイトがありますので
調べる際は「都市名+博物館」などで検索してみると良いと思います。

また情報があれば記事にしていきます。





 

posted by にゃおすけ at 14:50 | Comment(0) | 街道歩きテクニック | 更新情報をチェックする

2019年02月06日

Google+閉鎖に思うこと

  
Google+の閉鎖が2019年4月2日に決定、
シャットダウンまでのタイムスケジュール公開

https://gigazine.net/news/20190131-google-plus-end-timeline/

ついにこの時が来たかという感じですね。

使い勝手がイマイチだったものの慣れれば良いツールで
G+内に街道のコミュニュティを開設していました。

街道風情を楽しむ会
https://plus.google.com/communities/101990567192615536572

街道の写真をアップしていくというスタンスでしたが
いろんな写真を各投稿者の視点で見ることが出来たので
ブログでは一方通行になりがちだったものが
情報を共有して楽しめて刺激になりました。

似たようなSNSではFacebookなどがありますが
G+は本名でなくても匿名で投稿できる気楽さがあったので
ゆる〜く自由な雰囲気な感じが良かったと思います。

さて、G+閉鎖に伴って少し気になったのは
当ブログでも紹介していた「ingress」でしょうか。

歴史ウォーカー的「Ingress」
http://borabora.seesaa.net/article/413047791.html

ゲーム内にプレイヤーのG+へのリンクがあったり、
チャットアプリ(ハングアウト)内にリンクがあったりと
Googleが関係しているゲームだけあって連携が良いものでした。

例えば、敵であってもG+リンクがあったとすれば
どんな人なのかな?とついついチェックしてしまうのですが
投稿が自分好みのものだったりすると嬉しいもので
プレイヤーを敵味方関係なく親しみを感じることができました。

G+に変わるコミュニュティツールがあればいいのですが
移行となると労力を伴いますし全員が全員移行できるはずもなく、
これを機会に引退する人が出てくるのではと思うと残念でなりません。

G+の閉鎖は「Ingress」にとって転機となるものと思います。
この転機が逆に良い方向に向かってくれればいいのですが。




タグ:Ingress ゲーム
posted by にゃおすけ at 14:31 | Comment(0) | つぶやき | 更新情報をチェックする