2019年07月23日

街道歩き写真を続々アップ中!

ちょうど1年前から始めた
街道歩きで撮り貯めた写真の公開ですが
いよいよ手元のストックが僅かになってきました。

街道写真コレクション
http://kaidouaruki.seesaa.net/

膨大な数の街道写真を死蔵しておくのは勿体なく、
後世に何か役立てればという思いから始めたのですが
整理していると意外と歩いた当時のことを覚えているもので
懐かしい気持ちになりつつ楽しくアップさせてもらっています。

新しいビットマップ イメージ.jpg

写真はカテゴリー別とアップした日付に分けています。
しかしながらお目当ての写真を探すには少々使いづらく、
そういう場合は「街道名を入れて検索」を試してみてください。
街道名の他にも主な宿場名を入れても反映できるようにしています。

今後のラインナップは

・北国街道越後路
・有馬道シリーズ
・街道シンポジウムで歩いた街道
・熊野古道大辺路
・長崎街道


と、いうような感じの予定です。
一通りアップし終わった後は更新頻度は減りますが
新たに街道歩きをすればその都度アップするという流れです。

街道歩き中での写真ですから拘った構図は殆どありませんが、
さりげなく写ってる歩く人や看板、建物や車、道の情景など、
かつて昭和時代に撮られた写真がレトロファンに人気があるように、
当サイトの写真も何十年か後に貴重になっていれば嬉しい限りです。

なお、写真はフリーですが商用利用の際はご相談ください。


   
posted by にゃおすけ at 13:54 | Comment(0) | つぶやき | 更新情報をチェックする

2019年07月09日

ルートラボの終了と移行先についてなど

ついにルートラボが終了となります

ヤフー、「ルートラボ」終了へ 地図ラボ「LatLongLab」10年間の歴史に幕
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1907/03/news096.html

無料サービスで10年は長い部類ですよね。
街道歩きのルート作成で初期から重宝してきました。
ここ最近のYahoo!はブログやホームページサービスが終了するなど
事業のスリム化を立て続けに行っていた感じがしていたので
ルートラボもそろそろとは思ってはいましたが・・・。

ルートラボの利点はというと

・簡単にルートを作成できる
・作成したルートにはメモを付けることができる
・ルートに標高データが自動で付与される
・地点と地点の間の距離を測るのが便利


これらはライト層にとって嬉しい機能でした。
そのため膨大な数の様々なルートが公開、共有されていました。
終了とともにこれらが消えてしまうのは寂しい限りです。

ライト層にもっぱら好評だったルートラボですが
逆にヘビー層は地方の地図が拡大出来ない場合があるなど
細かいルートを作成しずらい点が非常に難点でした。

今回の記事ではルートラボからの移行先で困ってる人のために
何かの参考になればと別のサービスを以下にまとめています。

★ルート作成は地理院地図サイト

ルートラボに慣れた人からすると
最初は違和感がありますが次第に慣れるはずです。
使い方の簡単な説明は下の記事をご覧ください。

『街道歩きのススメ』 最新版ルート作成術。
http://borabora.seesaa.net/article/417391202.html

利点はWebでの操作なのでいろんな環境においても作成できる点。
難点は出力ファイルがGPXファイルではなくKMLファイルという点でしょうか。
ルートに標高データが付与されていない点も大きなマイナスです。

ルート作成に便利なものは他にもあります。
その一つにカシミール3Dというのがあるのですが
こちらはGPXファイルが出力できる上に標高データが付きます。
まさにオールマイティーの素晴らしい機能を取り揃えています。
ただ、操作性UIが大変わかりづらくWebだけで出来る手軽さがありません。

個人的には地理院地図サイトを推しますが
どちらを利用するかは人それぞれの好みになると思います。

★標高データ付与と地点間の距離計測はアプリで

スーパー地形アプリとFieldAccess2アプリの使用が前提です。

手順1・地理院地図で作成したルートをKMLファイルで出力

手順2・FieldAccess2に取り込み

手順3・GPXファイルに変換しスーパー地形アプリへ転送

手順4・スーパー地形アプリで標高データ付与

これらの手順は慣れれば1分程度で完結します。
地点間の距離を測る作業はFieldAccess2上で行います。
アプリは有料ですのでアプリを使わない人はこの方法は使えません。
そういう人はカシミール3Dでルート作成することをオススメします。

ただ、この2つのアプリは実際に歩く際に非常に有能です。
オフラインで地図を見ることが出来ますしGPSの記録はもちろんのこと、
あらゆる地図を切り替えながら使用することが出来ます。
特にiPhoneユーザーは持っておいて損はないアプリでしょう。

この項の詳しい説明は以下をご覧ください。

『街道歩きのススメ』2019年版ルート作成術。
http://borabora.seesaa.net/article/463843345.html

★ルートのデータ共有は「ヤマレコ」

ルートラボはあらゆるルートデータが網羅されています。
精度は別として膨大な量というのは有り難いものでした。

似たような共有サービスに「ヤマレコ」があります。

名前からも山歩きの記録を主としたサイトですが、
街道歩きのデータや自転車のデータなども登録されています。
ただ、ルートラボで見られた車でのルートに関しては皆無です。
これはサイトの趣旨に合っていないということなのでしょう。

ヤマレコはルートの共有に関して非常に有能です。
記録は感想など様々な情報を写真入りで共有が出来ます。
実際にルートを使用しての生の声はルートラボになかったものです。

ルートを共有できるサービスは他にもあるかもしれませんが
ヤマレコに関してはユーザー数や一般への認知度を考えると
他のサービスより一歩先を進んでいるような気がします。

以上、ルートラボの終了に関して書いてみました。
重ね重ね、膨大なルートのデータが消えてしまうのは残念です。
2020年春の終了までに必要なデータはダウンロードしておくなど、
残された短い間に出来ることをやっておきましょう。



 
posted by にゃおすけ at 09:41 | Comment(0) | つぶやき | 更新情報をチェックする

2019年07月03日

有馬道その3・宝塚→有馬温泉

ついに大坂、京、西宮からの有馬道が一つに合流。
ラスト、六甲山中の区間を歩いていきます。


↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

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かつては田園風景が広がっていた宝塚ですが
今は多くの家が建ち並んでいます。

左手に六甲山の東の端を見つつ
JR福知山線をくぐると武庫川の渡し跡です。

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渡しが右手の道路橋沿いにあった

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生瀬宿は武庫川の河岸段丘上に発達した村で
荷物継立ての宿駅として大いに繁栄し
多くの運送業者が居住していました。

昔ながらの妻入建築の民家は
阪神淡路大震災で数を減らしています。

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河岸段丘上の村だからこその悩みとして
武庫川が横にあるにも関わらず水利が悪く、
支流である太多田川の上流から水路を作って
水を引く必要があったそうです。

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生瀬駅。
開業当初は有馬口駅と呼ばれて
有馬温泉へ行く多くの人がこの駅を利用しました。
ここからは約10キロほどの道のりになりますが
当時の道路事情を考慮しても半日あれば着く計算です。

こういう立地から明治になっても宿場が賑わっていたのですが
交通体系などの変化から長続きはせず衰退していきます。

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国道176号といえば
平行する中国自動車道が大渋滞の時は
こちらも阿鼻叫喚になることで有名ですね。

国道176号は武庫川沿いに名塩、三田へと抜けますが
有馬道は太多田川橋から六甲山中へと進路を取ります。

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「右 三田道」「左 有馬道」
大阪市南区の文字があるので明治初期以降のものでしょう。

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JR福知山線の旧橋脚。
煉瓦造りの橋脚はおそらく開業当時の遺構ですね。

ここから県道沿いに進みます。
太多田川を横に眺めながら勾配自体は大変緩やかです。
有馬へ行くにも関わらず山登りを意識せずに歩けるというのは
昔からよく使われていた道である証でしょう。

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ただ、江戸時代の状況はというと
有馬温泉への湯治客が頻繁に往来するにも関わらず
道らしい道はなく太多田川の岩だらけの河原の道筋で
特に船坂までの一里は川を左右に行ったり来たりだったので
「四十八飛び」あるい「四十八ヶ瀬」と呼ばれていました。

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なので県道部分はほとんど明治以降の道になるわけですが
道幅はそれほど広いわけではなく歩道もない状態なので
今の時代でも難所であることは変わりません。

紅葉シーズンを別とすると
この時間だと交通量は少なく快適に歩けました。

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蓬莱峡、知るべ岩付近で県道は大きくヘアピンします。

知るべ岩とは太閤さんが有馬入湯の際に
旅人が座頭谷に迷い込んだという話を聞いたところ、
迷わないようにと ”右ありま道”と岩に刻んだと言われています。

知るべ岩はどこかー
必死に探したのですが残念ながら見当たりませんでした。
大きな岩で上には標石もあるそうですが・・・。

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さて、旧道はヘアピンへは進まずそのまま直進します。
すると20系客車のブルートレインを使った宿(廃業)が現れ、
その先には廃道が残っています。

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しっかりした路盤です。
道幅は狭くおそらくは明治道になると思います。

この道筋は古い地図にも載ってるもので
交通量が増えた時期から今のヘアピンが出来たのでしょう。

蓬莱峡バス停横で県道に合流します。

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やがて船坂地区に入ります。
ここで四十八瀬と呼ばれる区間が終わります。

随分と細い水量になった太多田川ですが
この水量の時ならば四十八瀬も楽だったでしょうね。

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近辺の主要な中継地として発展した船坂は
湯山街道の案内看板が豊富にあります。
ちなみに湯山とは有馬温泉のことで昔の呼び名です。

集落内は平坦ではなく緩やかな坂が続いています。

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名所の”清水”はこの日は枯れていました。
三つに仕切られ上流側から飲み水用。食器洗い用。
そして野菜洗いと洗濯用になっています。

県道建設で大幅に水量が減ったそうです。

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学校の校庭のような場所を横切ります。
船坂小学校は西宮市で最も歴史のある小学校で
明治6年2月1日に善照寺本堂を仮校舎として開校しています。

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船坂を俯瞰。

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再び県道を進むと白水峡。

なかなか圧巻な光景ですが木々に遮られる場所が多く、
道路に路肩がないので気づかずに通り過ぎる人が多そうです。

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県道はいくつも改良された跡が残っています。

旧の道筋は古地図を見ればわかるのですが
山の中ということで不鮮明な場所が多く
周辺は地質的に脆いので探索するには勇気がいります。

それでも大丈夫そうな場所は突入するわけですが
やはり藪道となるとテンションがあがりますね。

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温泉街が見えてきました。
この付近は杖捨坂。

観光客が増えてきます。
有馬温泉内は古い絵図が多数残っているので
ほぼ昔の道筋で歩くことができます。

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湯本坂と呼ばれる街道筋は古い家が残り
街道情緒がいい感じです。

夜は夜で素敵な雰囲気があります。

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左手に金の湯(一乃湯、二之湯)を見ながらゴールへ。

それにしてもこの時期の六甲はまだまだ冷えますね。
金の湯に入浴して体が温まるまで時間がかかりました。

ようやく有馬道シリーズが終わりとなりましたが
今回の区間は廃道あり旧道ありの見ごたえたっぷりで
距離も手頃でゴールには温泉もあるという充実した区間です。
ハイキング気分で歩けるので大変楽しめるかと思います。
ただし、くれぐれも車にはご注意を。



posted by にゃおすけ at 15:56 | Comment(2) | 有馬温泉への街道 | 更新情報をチェックする