2020年07月17日

‎Go To トラベルキャンペーンでの旅について

キャンペーンの意義を理解した上でお話します。

旅をよくする身にとって有難いキャンペーンですが、
近頃の新型コロナの感染状況を見ると今じゃない感がありますね。
検査数が増えたから感染者が増加したという理屈はわかりますが、
今よりさらに増加した場合を考えると不安でなりません。

キャンペーンの内容が発表された時、
「安くなる!嬉しい!さあ旅の計画を立てよう!」
と考えた人は一体どれだけいたでしょう?

少なくとも私はそういう気にはなりませんでした。

新型コロナが流行ってから旅は随分変わりました。
行く先々では歓迎してくれてるように見えていても、
なんというか警戒感というのがわかるんですよね。
それは遠方の旅になればなるほど。

こちらとしてもマスクしたり手洗いなど
他にも感染予防を意識して行動はしているんですが、
今の時期での旅は逆にストレスになると言いますか、
それほど楽しめないと思うわけです。

新しい旅のエチケット
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001349264.pdf

これじゃ、旅に出ること自体ストレスになりません?
旅は日頃のストレス発散の場と考えてる人なら尚更でしょう。

Go To トラベルキャンペーンを使って旅をすることは
エチケットをきちんと守れる人なら問題ないと思いますし、
良い政策とは思うのですが時期がねぇ・・・。

コロナ禍で旅する上での個人的な考えは、

・人が誰も行かなそうな穴場に行く
・混んでる時間帯を避けて観光する
・出来る限り公共交通機関を使わない
・飲食店では食べながら話さない

この4点に基づいて行動するようにしています。

Go To トラベルキャンペーンが始まれば、
有名観光地は今より多くの人が訪れることと思います。
そこへ行く交通機関は混雑しますし密になりやすい。
おのずと飲食店も混んで感染リスクも高くなる。

だったら誰も行かなそうな場所へ行く。
そういう場所でも混雑する予感がする場合は、
朝早くから楽しむなどしてピークを避ける。

まー、こんなところでしょうかね。

キャンペーンの意義を考えると旅をせねばと思うのですが、
コロナ感染の状況を考えると・・・といったところです。
とにもかくにも早く収束して欲しいですね。





    
posted by にゃおすけ at 10:16 | Comment(0) | つぶやき | 更新情報をチェックする

2020年07月13日

天国だった乗鞍山頂 〜松電バイト記憶からその4〜

松電バイトの繁忙期の中でもGW、お盆、秋の3連休は
早朝の登山客のピーク、9時頃からの観光客のピークに加え、
帰りは雪崩のような下山輸送と1日中多忙を極めていました。

そんな多忙から少しだけ開放できたのが
新島々および上高地からの乗鞍山頂への路線でした。
山頂近くまでバスで行くことが出来るので登山客は少なく、
ほぼ全員が普通の観光客だったと思います。

そういう客層だったので新島々の初便は8時ごろで、
登山客が多い上高地行きの4時台始発とは随分と対照的でした。



乗鞍山頂畳平というバス停は標高2,702 mで、
日本最高所にある路線バスのバス停です。
当然ながら涼しく空気が薄い場所ですが
普通に過ごしていれば快適そのものでした。

この路線は折り返し時間に結構余裕があったので
その時間を利用して登山したり食堂に行ったり、
日頃の寝不足を補うべく後部座席で寝ることもありまして、
その寝心地はブルートレインのような気持ち良さでした。

ところが、この天国のようなひと時も、
雨が降ってくれば一気に冬になり、まるで地獄でした。
客層は普通の観光客が多いと書きましたが、
ほとんどの人は軽装なので重装備はしていません。

「日本で最も登りやすい3,000m超級の山」
「ハイヒールでも上れる山」

と、称されるほどなので軽装でも当然なわけで、
冬の寒さから早めにバスの中に入ってもらうことになり
せっかくの快眠空間がぁぁ…といった具合です。

もちろん、乗務員もそれほど防寒対策はしていません。
発車まではバスの入り口で立って改札せねばならず、
震えながら早く出発時間にならないかと思っていました。



バイトの食事は一食100円で食べることができました。

寮のある新島々の食堂はヘルスと呼ばれていたのですが
昼に作られた置きっぱなしのものを夜に食べるので
お世辞にも美味しいとは言えないものでした。
(ここだけの話、腐ってることが多かった!)

上高地の食堂では、朝と昼に頂きました。
朝は食卓の中央に丼に入った納豆がドーンとあったのですが、
なにせ、関西だとそういう習慣はないので度肝を抜きました。
無論、食卓から漂ってくる匂いは・・・強烈でした。

でも、それ以外に関しては新島々とは雲泥の差で、
特に昼のカレーは美味で仕事の肥やしになったものです。

一方、乗鞍山頂での食事は極上そのものでした。
松電直営のロッジの一般向けの食堂が利用できたのです。

カレーにラーメンに丼物に、いくらでも頼めました。
そしてデザートにソフトクリームも頂いたりして。
もちろん料金は100円ポッキリ!

うーん、まさに天国!

ちなみに、翌年のバイトからは
一品100円みたいな制限がかけられていました。

どうも食い過ぎていたようです。



この路線の渋滞は基本的にはないものでしたが、
天気が良い時は畳平の駐車場待ちの列が出来ました。

当時はマイカー規制がなく乗鞍の観光目的の車以外にも、
混雑する安房峠を避けて迂回してくる車もいたので、
結構、長い列になることがあったと思います。

それにしても、窓から眺める景色は雄大です。
晴れた日は遠くまで見渡せるのはもちろんのこと、
9月の紅葉は見事の一言で実に圧巻な光景でした。

車掌はこういった景色を眺めながら乗務するのですが
途中での乗降が滅多にないので手持ち無沙汰気味で、
ひたすら眠気との闘いになっていました。

ちなみに、バスには車掌席なるものがあります。
前の扉の横に存在しバタンと倒す簡易的なものだったのですが、
せっかくあるにも関わらず乗務中は座ることができません。
そういう謎ルールがあったのです。

仲の良い運転手さんだと
「まあ、座っていけや」となったのですが、
大体は、1日中立っていたことが多かった気がします。
中には回送の時だけ座らせてくれる運転手さんもいました。
そういう時は、まるで宝くじに当たったような気分でした。

立つことは業務する上で色んな意味があったと思いますが、
足腰への負担は山岳路線ばかりなので相当なもので・・・。

こういうことから、車掌の中には、
運転手の許可なく勝手に座る輩がいまして、

運転手「なに勝手に座ってるんじゃい!ゴルァ!」
車掌 「お前も座ってるやないけ!ゴルァ!」

と、喧嘩になった話もあった次第です。
でも、これはまだカワイイほうです。

安房峠の路線で喧嘩をしたという輩は、
運転手もキレて峠の途中で降ろされてしまったことも。
当然、その後は問題になりましたが衝撃的な出来事でした。



おわりに。
松電バイトは雑誌で偶然見つけたのをきっかけに
大学の休みを利用して4年間やっていました。

広告に書かれた給料は大した金額ではなかったのですが
実際は、時間外労働になると乗務ごとに手当てが付いたので
片道30分のような短距離乗務が多い時は特に稼げました。
それは、ピークの月の給料で50万円にもなったほどです。

結構、ハードに働いたつもりだったのですが、
不思議と疲れというか、そういうものはなかった気がします。
楽しく出来ましたし、若さ故のものだったのでしょう。

機会があればもう一度乗務したいと今でも思います。

この次は番外編として国道158号のことを書いていきます。



  
posted by にゃおすけ at 10:24 | Comment(0) | 懐かしい記憶 | 更新情報をチェックする

2020年07月09日

修羅場の白骨線 〜松電バイト記憶からその3〜

「三日入ると三年は風邪をひかない」
こういう謳い文句がある乳白色の湯で有名な白骨温泉。
不便な場所にありながらも人気の温泉地です。

お泊りのお客向けに上高地と結ぶ路線があったのですが
朝の1便目はチェックアウトに便利な時間だったので
大抵は満席で時には補助席まで埋まることがありました。



車掌の仕事の一つに切符の発行がありますが、
白骨温泉には券売機がないので当然皆さん切符がない状態で、
いかにミスなく発行できるか力量が試される時でした。

車内で発行する切符は車内補充券と言いまして、
2枚1セットになった両方に穴を開けて1枚(青券)はお客に渡して
もう1枚(白券)は営業所にて運賃と共に収める仕組みでしたが
この白券を紛失してしまった時はえらいことでした。

ようするに、白券は切符を発行した証拠になるもので、
当然、お客から運賃をもらっていることになります。
白券を紛失したと嘘を言えば…ネコババが出来るわけです。

まー、そういう輩はいなかったと思いますが、

「やっべー、白券なくしちゃったよ!」

と、こういう声が清算時によく聞かれました。

このように、乗車券の発行作業は気を遣う作業で、
上高地までの短時間に車内放送も含めてやるわけですが、
ここで重要になってくるのが釜トンネルの信号です。

運悪く、青信号で通過したものなら・・・

まさに修羅場!

こうならないためにも、ベテラン車掌の中には、
あらかじめ、白骨温泉でどれだけ乗ってくるかを予想して、
前もって車内補充券を作っておく戦法をとっていました。
でも、この戦法をもってしても間に合わない場合は・・・

降りる時に料金箱に運賃を投入してもらう!!

バスの料金箱は金庫ですから最強の手段といえます。
これはバスの一般的な支払方法と同じですね。

【追記1】
記事の初出から訂正した部分があります。
何分、記憶が曖昧な部分がありご容赦下さい。

【追記2】
中の湯ピストンという路線がありましたが、
白骨以上に過酷でテクニックを要求されました。
さらに距離も短かったのでヤバかったです。



白骨線の名物といえばこのヘアピン。
ストリートビューを見ると随分と広くなりました。

上高地輸送は繁忙期には運転手が各地から応援にきます。
当時のヘアピンは幅が狭くガードレールすらなかったので、
皆さん安全策を取って2回ぐらい切り返すのですが、
地元の営業所の運転手は切り返さずに行くんですよね。

さすがは地元!とハンドル捌きに惚れ惚れしたものです。

もちろん、どちらも危険はありませんが、
車掌は一番前に立っているので怖かったですね。

前輪はバスの構造上、一番前の客席の下にあります。
曲がる時は前輪を意識して曲がれば良いものなので
急カーブでは前輪より前の車体が外にはみ出てしまいます。

前面の窓の下を覗けば、恐ろしい崖。そして渓谷・・・
宙に浮いてる感覚は今も忘れられません。



車掌の仕事は普段は17時には上がれました。

その後は飯に風呂といった具合ですが、
全国から集まった仲間だけに旅好きが多く、
夜は近場の温泉へとよく出かけていました。

行き先は大体は乗鞍高原でした。
白骨温泉と同様の乳白色の温泉です。
そして硫黄の匂いもすごい。

入ってる時は極上の幸せがあるものの
当然のことながら翌日も匂いが残ります。

すると、どうでしょう。
翌日の乗務に影響が出るのです。
一番前で立っているとコソコソ話が聞こえます。

「なんだか卵の腐った匂いがしない?」

す、す、すいませーん。

ちなみに冒頭に書いた白骨線のお客さんの中にも
同じような匂いがあったのは言うまでもありません。


posted by にゃおすけ at 14:05 | Comment(0) | 懐かしい記憶 | 更新情報をチェックする