2022年01月31日

パパとムスメの東海道五十三次・関宿→庄野宿

●9日目、関宿→亀山宿→庄野宿


↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

今回はスタートの関宿までは車で向かいました。
関は名阪国道沿いなので大阪からは安く快適に移動できます。
車中ではiPadで動画を楽しんだりと終始ご機嫌な様子でした。

が、しかし。
いざ歩き出すと不機嫌になってしまいます。
やはりこの寒さは娘にとっては強烈だったようです。

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もちろん厳冬期ということで防寒対策は万全です。
案の定、暖かくなるといつものお喋りが戻ってきました。

それにしても関宿の朝は素晴らしいものです。
朝は人通りや車も少なく娘も安心して楽しんでいる様子でした。

東の追分を抜けると関宿は終わり。
伊勢方面はここで分かれ通行が格段に減ってしまうので
亀山、庄野、石薬師の宿場は賑わいに欠けていたといいます。

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鈴鹿川沿いの堤防の道を進みます。
往路で歩いた時は子供達から挨拶してきたのを思い出しました。
12年ほど前のことなのでその子供達は今は20歳ぐらいでしょうか。

時の流れといいますか早いものを感じます。

高速道路が行き交う亀山大橋を過ぎると
娘は突然トイレに行きたいと言ってきました。
探しながら歩くと公民館を掃除してる方がおられたので

女性「おはようございます」私「おはようございます」
私「あっ、トイレをお借りすることは出来ますか?」

と、思い切って言ったところお借りすることができました。
よく見る公民館と思っていた施設は子供教育の関連施設だったようで、
コロナ禍にも関わらず迎え入れてくれて助かりました。

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野村一里塚。
江戸時代からあるレプリカではない本物です。
優に20mもある高さです。娘に換算すると20人分です。

やはり本物は風格というのが全く違いますね。

今回の道中は難所といえる箇所がないことから、
実験的に歩くペースは早く、休憩も少なくしてみました。
今までのようなペースだと交通の便が良い場所はいいのですが、
小夜の中山や箱根などの峠では不安だったからです。

結果的には私が1人で歩く時とほぼ同じペースでしたが、
休憩を欲することはいつもより逆に少ないぐらいで、
確実に脚力が向上してきてることを感じとることができました。

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亀山城下の京方の入口にあたる京口門跡。
ここは東海道五十三次の浮世絵にもある有名な場所です。

大名行列が雪の中を登っている急坂は今はありません。
古写真で確認すると旧道は現在の橋の右側で川を渡ってから
左に曲がり上に登っていたように見えます。

橋の横には旧道ではない上り坂があり下りてみましたが
往時の険しさを体感するには十分でしょうね。
娘は楽しいと言ってもう一度下りようとしてましたが...。

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畳屋を覗いてると見学させてくれました。
おまけにコーヒーまで。

娘効果と言うべきでしょうが
1人で歩いてるとこういうチャンスはなかなかありません。

亀山城下は城下町特有の道筋で迷いやすいですが、
坂があったりと宿場の範囲は広く実に面白味のある町です。

東屋も多く設置されていて見かけると駆け出して座っていました。
もちろん安全な場所であることを確認してGOを出すわけですが
ゆっくりと座れる椅子があるのが嬉しい様子でした。

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縁側に座ってみたり。

お昼は名物の亀山みそ焼うどんを頂きました。
実は当初予定していた店は休みで路頭に迷っていたのですが、
その姿を見て「ご飯なくてもいいよ」と。

まあ、そういうわけにはいかないので
マクドで妥協するかと思った矢先に良い店に出会うことができました。

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亀山から先はやや単調な区間となります。
亀山ローソクの会社があれば墓のローソクはここで作っるよとか
豆知識を娘に植え付けていきます。

ふと前方の空を見ると大きな虹が現れました。
丁度ルートの延長上に見えるものだったで
虹に向かって歩く形になって娘は大喜びでした

単調な区間だっただけにまさに天の恵みとなりました。

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井田川駅付近になると思いのほか快調なペースだったので
予定より1時間前の電車に乗れるかもと伝えてみると
元気になってさらにペースを上げて歩いていました。

和泉橋を渡ってもまだまだ虹は消えません。

右手は川俣神社ですがこの地区には狭い範囲にも関わず
6か所も同名の神社が存在しています。

恐らく水害が関連してるものと思いますが興味深い話です。

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庄野宿は東海道で一番新しい宿場町。
と言っても1624年に設置だから相当歴史はあります。
いつものように終了地点でタッチして帰路につきました。

結局、予定の電車より1時間早く乗ることが出来ました。
これは大きな成果で娘にとっても自信がついたことでしょう。

今回の印象に残った娘の反応は
・寒さから歩き始めは少し不機嫌気味(これは仕方ない)
・広場で野球している姿が珍しいようで暫く眺めていた。
・缶コーンポタージュにハマってしまっている。
・ダンゴムシやどんぐりブームは終わってしまった模様。

次回は庄野宿から四日市宿まで行けたらと考えています。



   
posted by にゃおすけ at 08:00 | Comment(0) | 東海道五十三次 | 更新情報をチェックする

2022年01月20日

パパとムスメの東海道五十三次・土山宿→関宿

●8日目、土山宿→鈴鹿峠→坂下宿→関宿


↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

実は当初の予定では途中で宿泊を挟むことにしていました。
峠越えを含む20km近くあるので過酷と思ったからです。
でも、これは杞憂に終わることになります。

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ここのところ毎週歩いています。
2人いる娘たちは去年まではよく風邪を引いてましたが、
今期は今のところ皆無で体力が付いてきているのでしょう。

道の駅で”みたらし団子”を購入して土山宿を出発しました。
娘は容器に付いたタレまで食べる始末で・・・(行儀が悪い!)
まあ、街道で食べる団子は最高なのはわかります。

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さて、今回の難所は鈴鹿峠です
娘にとっては初めてとなる本格的な峠になるのですが、
西の箱根と称されていても滋賀側からだと大したことはありません。

いわゆる片峠と言われるもので、
滋賀県側は既に標高が高い場所に位置しているので高低差は少なく、
逆に三重県側は一気に標高が下がるので登る分には大変なのです。
このことが宿泊をしないと決めた一番の理由になります。

とはいえ、過酷な道中なのには違いありません。

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鈴鹿峠まで至る旧道はダラダラと緩い坂が続きます。

かつては九十九折もあるアップダウンが多い道だったようで、
国道の整備によって切通しになったりと随分と改良されました。
旧道の痕跡自体は所々に残っていて藪化していて気になりますが、
まだこういう場所は娘には無理強い出来ません。

ふと、猪鼻立場で古老の方に声をかけられます。

「おじょうちゃん、何歳なの??」

娘は指を五本立てて質問に答えます。
やはり小さな子供と歩いてると気になる方が多くて、
向こうから積極的に話しかけてきてくれます。
1人歩きだと警戒されることが多いのとでは大きな違いです。

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鈴鹿峠。
三重県側は土道で石畳のある急坂になっています。

娘は何を思ったのか石畳に積もったモミジを
木の枝で掃除をし始めます。

まあ、真似ごとではあるのですが娘は真剣です。
石畳が特別なものとして認識していたのでしょう。

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今回、通しで歩くことで注意した点は、
これまで娘が「休憩をしたい!」と言ってくると、
毎回のように座っておやつ休憩をしていたのですが、
これでは関宿の到着が遅くなり日が暮れてしまうので、
極力、休憩を少なくすることにしました。

具体的には予め休憩ポイントを設定しておいて、
それを目指して歩くごく普通の方法ではあるのですが、
これを今までやらなかったのは行程的に楽だったことと、
娘が歩き嫌いにならないようにしていたのが理由でした。

でも、今後のためを思うとステップアップが必要です。

いざ、やってみると案外いけるもので、
「疲れた!」とか「あと何メートル?」というのは
今回ほとんど聞くことがありませんでした。

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毎回、行程を考える上で、
トイレや食事処のチェックは欠かせません。

昼食はバーベキュー鈴鹿峠というお店にしました。
事前に電話で「子供用のメニューはないですか?」聞いたところ、
裏メニューでうどんを作れるということで有難く頂きました。

私は魚定食にしましたが値段の割に豪華で、
特にマスの塩焼きは今まで食べた中で一番の旨さでした。

食事の後、歩き始めると寒さに襲われたので
防寒具を付けて2人とも重装備に変身しました。

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坂下宿は峠を前にした宿場町ということで、
旅籠の数では関宿や亀山宿より上回っていたそうです。
今は鉄道路線からも離れ交通体系の変化によって、
過疎化が著しく本陣跡など空き地が多くなっています。

それでも昔の面影はよく残っているもので、
下の写真の道路が広くなっている部分には桝形がありました。

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この先はずっと下り坂が続きます。
娘はいつも以上に軽快に歩いてくれています。
時にはスキップなんてのもしたりして。

沓掛の集落では老夫婦から「ゆず」を頂きました。

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筆捨山を眺めながら国道を進むと
やがて関宿に辿り着けます。

その手前にあった「転び石」という史跡。
娘にはわかりやすいように説明をするのですが、
話を聞いて目を丸くして驚いていました。

なにせ、山から転び落ちてきた石が
「山に帰りたい」と言っていた!のだから当然の反応でしょう。
こういう伝説系の史跡はいろいろと面白いですね。

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関宿は言わずもかな立派な家並みが続く宿場町です。
伝統的な建物が200棟以上もあるのは圧巻です。

町並みを一望できる展望台に上ると・・・
娘の口から思わず「綺麗!」の一言。

ようやく英才教育の成果が出始めてきたのでしょうか。
東海道をこれまで歩いてきて一番嬉しい言葉でした。

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この他の娘の印象に残った反応は
・今回はあと何メートル?と言うことが少なかった。
・マンホールがあれば踏んだらダメ!ゲームをやらされた。
・ススキがあれば相変わらず持ちたがる。

次回は亀山宿を経て庄野宿まで行けたらと思います。




   
posted by にゃおすけ at 08:00 | Comment(0) | 東海道五十三次 | 更新情報をチェックする

2022年01月11日

パパとムスメの東海道五十三次・水口宿→土山宿

●6日目、7日目 水口宿→土山宿


↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

今回は初の泊まり行程となりました。
そして天気も土曜は雨という初ものづくしで、
距離が短かったので色々と検討する絶好の機会でした。

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水口宿は宿場内で三筋に分かれる珍しい形式の宿場町。
古い旧家は江戸方の見附側に多く残っていました。

出発してすぐ雨に見舞われます。
今回、娘にはカッパと小さな傘を持たせました。
これは普段の町中と同じ装備ですが問題は靴でした。

大人なら避ける水たまりでも楽しそうに入って行く!!

靴は当然ずぶ濡れになってしまいます。
こういうことを予想して長靴を持参したのですが、既に遅し。
多少歩きづらくても距離が短いので長靴にしておくべきでした。
まぁ、今後のことを考えると防水の靴は必須ですね。

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しばらく行くと薪が蓄えられた旧家がありました。
薪は娘にとって初見のはずが「知ってる!」と返ってきました。

「炭治郎が使っていたもん!」

鬼滅の効果は半端ないですね。

この日の昼食は”古民家カフェ一里塚”で一服しました。
カレーとナポリタンで1000円ぐらいだったでしょうか。
店には大きな暖炉があって体の芯から温まることができました。

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食べ終わって外に出ると空気が変わっていました。
朝とは別次元の強烈な寒さを我々に襲ってきたのです。
速攻、写真のような防寒グッズ満載の装備にしました。

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それでも寒い・・・。
なんとか風邪は引かずに済みましたが
こういう時はホント気を付けないといけませんね。

ちなみに、店の手前の旧道分岐は間違えやすいポイントです。
Googleマップなどでは明治道を東海道表記されているので、
江戸道を辿って行きたい方は注意しましょう。

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この日の宿は水口で取りました。
今回は大阪から自家用車で移動してきたわけですが、
駐車場などの関係でバスを何回か利用しています。

*土曜
水口宿街道交流館に車を置く(無料)→前回の続きから歩く
→終了後バスで車を取りに行く→宿


*日曜
宿→道の駅あいの土山に車を置く(無料)→バスでスタート地点へ
→前日の続きから歩く→終了後そのまま帰路


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宿泊ですが娘と泊まること自体は既に経験済みだったので、
心配は少なかったものの街道歩きでとなると話は変わってきます。
今回は車だったので不必要なものは車に置いておけたのですが、
鉄道利用となると全ての荷物を背負って歩くことになります。

やはり2人分の荷物となると随分と重くなります。
今回の経験を元に荷物の再検討が必要と感じました。

まず、娘用のパジャマは宿の浴衣で対応できるでしょう。
下着類は宿のランドリー使用も考えていかないといません。
行動食である2日目のおやつは現地調達で良いかもしれませんね。

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翌日は綺麗な青空が広がり絶好の歩き日和になりました。
遠くの山には薄っすらと雪が積もっていました。

この日は娘のたっての希望でミニチェアーを持参しました。
これでいつでも座って休めると娘は大喜びでしたが、
よっぽど楽しいのか10分おきぐらいに休憩を求めてきます。

ミニチェアーは軽いパイプ製の子供用のものなので、
リュックに縛りつけておけば特に重さは感じなかったのですが、
休憩が多くなってしまったのはちょっとした誤算でした。

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瀬田川の渡し跡では藪漕ぎが少しあったので、
娘には見える場所で座って待っててもらいましたが、
その光景は貫禄ある映画監督の様に見えました。
片手は”じゃがりこ”でしたが (笑

いずれにせよ、喜ぶことは積極的にやる。が大事ですね。

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土山宿内は古い感じの家々が連なる光景が広がっています。
重伝建ではないので建て替えなどの規制は少ないと思いますが
奇抜な建物が殆んどないのは凄いことだと思います。

道はカラー舗装されていたのですが、
ふと、娘を見ると下を見ながら歩いていました。

「これ綺麗、宝石??」

どうやら綺麗な石を探していたようです。
遊園地では宝石探しというのがあるのですが、
それに今ハマっていたので見るからに楽しそうでした。

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土山の田村神社前でゴールした後は、
甲賀の里忍術村で忍者体験をして帰路につきました。
今回の出立前に「忍者に会えるよ」と娘に言ってたので、
なんとか約束を守れた恰好です。

娘「忍者体験はどれぐらいするの?」
私「Qoo5本分ぐらいだよー」

娘の数の単位はQooというジュースが基準のようで、
こうやって教えるとなんとなく理解してくれてるようです。

次回はいよいよ難所の鈴鹿峠です。
泊まりで行くか一気に15キロ歩くか悩むところです。




   
posted by にゃおすけ at 08:00 | Comment(0) | 東海道五十三次 | 更新情報をチェックする