今回で41回を数える伊勢迄歩講というイベント。
大阪ユースホステル協会が主催しています。
スタートは玉造稲荷神社
↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。
参加者を見渡してみると全般的に
50歳から60歳以上の人が圧倒的に多い感じ。
しかしー!
その脚力たるものや皆さん素晴らしいもので
連日の歩きにも関わらず快調そのものの足さばき。
よく鍛えられている!凄い!と感心した次第です。
出発はラジオ体操からはじまります
今回のイベントには学生さんのサポートがついてくれます。
行程中の宿の手配や飯の準備などはもちろん、
道中も一緒に歩いてくれてこれがなんとも新鮮でした。
話こんでいると気づけば何キロも歩いてるってことも。
菅笠をかぶっての最初の道中
参加者は約70人でスタッフは20人ぐらいだったでしょうか。
女性1人の参加者もいらっしゃれば夫婦の方もおられました。
こんな大勢の人数での歩行旅。
道中の流れはどんな感じだったかというと以下の感じです。
参加者70人は事前に歩行経験や性別、年代などによって
7つの講(グループ)に振り分けられる。1講は約10人。
道中では講(グループ)ごとによる歩行になって
5分から10分おきのウェーブスタートで基本追い越し禁止。
たとえば1講がスタートすると次の2講は5分後にスタート。
3講はその次。最後の7講は1講とは30分も差が開いてしまいます。
最初の難所は暗峠。生駒山は大阪からの登りが急
これはよく考えられたシステムで
道中のトイレや休憩所は限られている上、
山道になると狭く危険な箇所もあります。
団体歩行では時間差を設けてることによって
渋滞(特にトイレ)をある程度回避することができます。
前の講が休み終わった頃合に次の講が到着する感じなので
いわばタッチアンドゴー。これが精神的に凄く楽でした。
1日目の宿は奈良ユースホステル
この講というシステム。他にも利点がありまして
「先達さん」と呼ばれるリーダーが各講に1人おられます。
過去に何度も参加されてる知識が豊富な方がなるようで
前もって主催者から指名されるのだそうです。
2日目はのんびり奈良盆地の道中
これがとても心強い。
歩行力が皆まちまちな集まり年齢や考え方も違うわけです。
そういう中で1つにまとめて引っ張っていく力はホントに凄い。
考えてみてください歩きで170kmです。普通のツアーとは違います。
2日目の宿は長谷寺。温泉で癒されました
先達さんのさらに感心したところは歩行ペースです。
特に最終日。ゴールは内宮でカウントダウンなわけです。
これに間に合わせなければなりません。
しかも行程は70km。
もちろん、スタッフとの連携もあるのですけど
カウントダウンに合わせてのペース配分は経験の賜物でしょう。
ちなみに最後の夜間は時速で5〜6kmは出ていたと思います。
3日目は榛原の神社より出発。たき火が暖かい
ちなみに江戸時代の「講」は
現代でいう旅行組合のイメージです。
昔の旅は多額のお金を必要とするので
みんなで貯めたお金を使って代表者数人が行くシステム。
講に入っていればいずれ自分も伊勢参りに行けるものです。
よく、古い旅館に行くと
**講と書かれた看板を見かけることがあります。
これはその講の定宿という目印でもありました。
話が脱線してしまいましたが昔からあった助け合いの精神。
そういえばこのイベントの募集要項にこういうのがありました。
「みんなで助け合って歩ける方」
「30kmを荷物を背負っていける歩行力」
まさに現代の”講”ですね。
さてさて、
街道ウォーカー的に気になるところといえば
ルートはどんな感じで歩いているかでしょう。
基本的に旧道を全区間に渡って歩くのですが
厳密にではなくて結構アバウトな印象がありました。
本来の道はこっちなのに時間の関係でショートカットとか。
これは団体旅行だから仕方ないですね。
でも、ここぞというポイントは結構忠実に進んでいた感じなので
旧道しか絶対ダメ!と拘らなければ十二分に堪能できます。
峠が連続する。次第に雪道に
3日目は峠がいくつも続く難所ばかりの日。
冬は雪も積もることもあって今回も雪道になってました。
荷物ですが
必要なものは全て担がなければなりません。
伴走車は要所要所で見かけるのですけども
運んでいってくれるというわけではないのです。
ただし、最終の宿では
宅急便の手配をしてくれるので
いらぬ荷物は送ることが可能になってました。
最終日の行程は70キロ。こういう長距離になると
歩いていくうちに荷物が重くなる錯覚が出てきますね。
なので送れるなら送っておいたほうが無難でしょう。
ありがたい道中のお接待。御杖村にて
無事に完歩するポイントは
いかに荷物を工夫していくか。
まずは軽く、いらぬものは持っていかない。
以下、参考までに荷物をリストアップしておきます。
★装備編
・ニット帽 (耳も隠れるタイプ)
・日焼け止めクリーム (冬でも日差しは強し)
・手袋 (スマホ対応・道中では濡らさないこと)
・手ぬぐい2枚 (風呂用と鼻水ぬぐい用)
・サングラス (日差し対策、眠気防止対策)
・フェイスマスク (スキー用の穴あき。ノースフェイス製)
・ヘッドライト (夜間歩行用)
・スマホ充電器 (寒いのでなるべく大容量のもの)
・分岐付き小型コンセント (宿のコンセントは少ないので)
・パンフレットやボールペンなど
・マメ防止のムース (ボルダースポーツ)
・飲み物ペットボトル小サイズ1本、行動食少々
・耳栓、アイマスク、髭剃り、歯磨きセット
最終日の朝は早い。凍結している場所も
★服装編
・上下セパレートの雨具 (ゴアテックス製・傘は禁止)
・泥除けの靴用スパッツ (短めサイズ。砂侵入防止対策)
・シャツ3枚 (速乾性のもの)
・パンツ3枚
・靴下3枚 (蒸れたときは前日のものと履き替える)
・登山用長ズボン (動きやすいもの)
・足用ヒートテック1枚
・ヒートテック1枚
・インナー用上着
・ごつめの上着 (登坂時は脱ぐ、登山用モンベル製)
・ウィンドブレーカー (登坂時は脱ぐ、軽くかさばらないマラソン用)
最後の難所の飼坂峠
基本的にいつも街道歩きで使ってるものを持っていきました。
食事や飲み物は用意してくれてるので準備なくても大丈夫でした。
それはそうと
一番、肝心な装備としては靴ですね。
・アスファルトの道を連日30km越え。
・山道のハードな区間
・雪道
これらをこなす必要があります。
今回はモンベルのトレランシューズをチョイス。
軽いし動きやすいし、山道も苦になりません。
街道歩きでも重宝している代物です。
暗くなり夜間歩行。伊勢神宮へ向けて
参加者の中には凄い人がいるもので
ツッカケで歩かれてる人もおられました。
聞くところによるとこれがベストなのだとか。
素晴らしい!!
こういうイベントとなると
あらゆる地方から歩きの達人が来られますね。
外宮。かがり火が凄かった
今回の参加の目的の一つをあげるとするならば
こういった達人の方々との交流でしょう。
4日間も衣食住を共有できる
またとないチャンス!
歩き方や歩きに対する考え方など
いろいろ教えてもらうことができました。
ラストは「わっしょい」「わっしょい」でゴール
最後に一番つらかったのは何か?ですが
歩きでは特につらいと思うことはありませんでした。
これは日頃の街道歩きの成果でしょうか。
一番つらかったのは
とある宿でのトイレですね。
旧学校の校舎を利用したもので暖房なしトイレ。
マイナス気温の中でのケツ丸出しは寒いっす(笑
逆にうれしかったことはというと、
人々の暖かさに触れあえたことでしょう。
道中のお接待はホントありがたかったですね。
餅つきやお菓子、甘酒などなど。感激でした。
あと、団体で歩く良さとしては
あらゆる人に声をかけられたことでしょうか。
すでに1度歩いていた伊勢本街道が違った光景に見えました。
これほどまでに賑わいがあり生活感があったなんて。
う〜ん、街道歩きは奥深い!
また機会があれば参加してみようと思います。
【カテゴリ:伊勢本街道の関連記事】
昨年甲州街道を終え、今年から、東海道を箱根までの、予定で歩きはじめました。
いつも、にゃおすけさんには、励ましのコメントありがとうございます。ルートラボも参考にさせて貰っています。
これからもお元気で街道歩きされることを、お祈りします。
申し遅れましたTwitterのニックネームは、@hamanatu 光 です。
伊勢への道はアップダウンが多くて
まるで甲州街道の勝沼-高尾な感じでした。
遅くなりましたが甲州街道踏破おめでとうございます。
東海道も是非楽しまれてください。
僕も一番最初に歩いた区間でもあるので
また機会を作って歩きたいと思っております。