本やネット上にある街道ルートは果たして本当なのか、
昔の様子はどういった感じだったのだろう?など
いろいろと拘りが出てくるものと思います。
近年ではあらゆる資料のデジタル化が進んできており
少し前までは現地に赴かないと見れなかった資料も
ネットで簡単に見れるようになってきました。
そこで今回は以前書いた『街道歩きのススメ』を踏まえた上で
街道歩きの資料集めに役立つサイトを紹介していきます。
『街道歩きのススメ』ルート作成から実践、記録まで。
http://borabora.seesaa.net/article/385760812.html

★ 『今昔マップ on the web』
http://ktgis.net/kjmapw/index.html
充実の2画面表示。
左画面の古地図の道筋をマウスでなぞれば
右画面の現代の地図に軌跡が反映されます。
また現在地表示機能があるので
現地で歩いてる時でも確認できるのは嬉しいポイントです。
問題点としては日本全域カバーされてない点と、
使われている一番古い地図が明治25年のものなので
江戸時代の道筋と同じとは限らないという点でしょうか。
とはいえ、明治時代の地図で道の痕跡すらない場所は
江戸時代においても道でなかった可能性が高いわけです。
じっくり眺めれば眺めるほど昔の道筋のヒントを掴むことが出来ます。

★ 『地図・空中写真閲覧サービス(国土地理院)』
http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do?
戦前から近年までの地図や空中写真を
自宅にいながら見れる良サイト。
ある程度までの拡大はweb上で出来るので
大きな道筋を調べるぐらいなら十分な情報量を得ることができます。
さらに拡大したい場合は有料でコピーの取り寄せも可能です。
左側の検索で各時代の各資料を絞り込むことが出来ます。
これら資料がほぼ全国カバーしているのは凄いことですよね。

★ 『Googleマップ』
https://www.google.co.jp/maps/preview
ご存知、地図検索が出来る定番サイトですが
特にストリートビュー機能は現地に行かずとも様子を知ることが出来ます。
最近になってほぼ全国に渡って見れるようになってきました。
旧道や峠道でも見れる場所があるのは有難いですね。
ただ、この機能はあまりにも空間がはっきり見えてしまうので
現地に行って初めて知る感動は半減してしまうかもしれません。
私の場合は分岐点はどうなっているか、飲食店はありそうか、など
地図だけではわからない場合のみヒントにしています。

Googleマップは1番目に紹介した今昔マップもそうですが
他の地図を表示できたりとカスタマイズ出来るのも魅力かと思います。
たとえば、以下のサイトでは簡単な切り替え操作で
地理院地図や昭和49年の航空写真などを見ることができます。
Googleマップを使って国土地理院の地図を見る(地理@沼津高専)
http://user.numazu-ct.ac.jp/~tsato/webmap/map/gmap.html?data=djws
地理院地図はGoogleマップではカバーできてない部分の
山の峠道や等高線などもわかるので実にありがたいところです。

★ 『レファレンス協同データベース』
http://crd.ndl.go.jp/reference/
ネットで検索してもわからないことを調べるには
地域の図書館、歴史資料館を利用するのが一番かと思います。
私の場合、図書館のレファレンスサービスを利用することが多いです。
レファレンスとは図書館の人が代わりに無料で調べてくれるというもので
少し返答に時間がかかりますが期待した答えを得ることができます。
イメージ的にYahoo!知恵袋の上位版といった感じでしょうか。
利用の仕方としては
各図書館のホームページにアクセスするか
直接、図書館に赴いて係(司書)の方にお聞きするか、
赴くのが無理ならば電話で尋ねてもよいかもしれません。
上のリンクにある『レファレンス協同データベース』には
問い合わせ内容と回答事例が一覧になってまとまっています。
たとえば、下記のように具体的な質問もOKです。
「紀州から江戸までの参勤交代にかかった日数と、参勤交代時に通った街道が知りたい。」
http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000048197
これによると大阪市立中央図書館(現地orネット)で
12/10に聞いて12/26に回答を得ていることがわかりますね。
回答には必ず参考文献も記載されているので
もっと詳しく知りたい場合は本を借りればよいわけです。
街道を調べるにあたってオススメの本としては
「歴史の道調査報告書」というのがあり購入するとかなりお高いですが、
都道府県レベルの図書館になると結構な蔵書があるので有難いところです。
(参考)レファレンスサービス活用術〜その調べ物、図書館がやります〜
http://www.b-support.net/library/column1.html

★ 『東京国立博物館画像検索』
http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/
街道の道筋はこれまでの探し方で大体わかってきますが
宿場内の様子や江戸時代の目印などは古地図や絵図の出番になってきます。
上のリンクには
利用価値のある資料が豊富にまとまっています。
街道資料としては「歴史資料」をクリックすると
東海道分間絵図や中山道などずらーと出てくると思います。
クリックするとかなりの大きさまで拡大することが出来ます。

分間絵図は五街道およびそれに属する脇街道など数街道のみですが
検索していくと他の町の絵図もあったりと参考になるものばかりです。
古地図や絵図については他の博物館などでもデジタル化が進んでいるようで
たとえば都道府県の博物館のページには地域に特化した資料が公開されてたりします。
下記にオススメのリンクをいくつか貼っておきます。
★ 『国立公文書館 デジタルアーカイブ』
http://www.digital.archives.go.jp/
国ごとの絵図が豊富。かなりの大きさまで拡大できる。
★ 『国立国会図書館デジタルコレクション』
http://dl.ndl.go.jp/
書物が豊富。名所案内などの地域資料も。
★ 『外邦図デジタルアーカイブ』
http://chiri.es.tohoku.ac.jp/~gaihozu/index.php?lang=ja-JP
インデクス・マップ検索→日本の近代の地図、旧外地の地図など。
★ 『日文研 所蔵地図データベース』
http://tois.nichibun.ac.jp/chizu/
町の絵図が中心。かなりの大きさまで拡大でき見やすい。
★ 『古地図コレクション(古地図資料閲覧サービス)』
http://kochizu.gsi.go.jp/HistoricalMap/
拡大出来るものは少ないが貴重な資料が豊富。
★ 『街道と宿場町 -幕末の日本全図を見る- 』
http://www.uraken.net/chimei/old/index.html
江戸期の街道と宿場町が古地図で一覧で見ることが出来る。
★ 『歴史回路 幕末、藩及び街道地図』
http://onjweb.com/netbakumaz/new_han_map.htm
幕末の各藩の規模や藩士数を知ることが出来る。

その他、よく利用しているページもリンクしておきます。
古写真は幕末からのものですが
江戸期の様子を知る上で大変貴重な資料ですね。
★ 『国立国会図書館 -写真の中の明治・大正- 』
http://www.ndl.go.jp/scenery_top/index.html
★ 『長崎大学付属図書館 - 幕末・明治期データベース- 』
http://oldphoto.lb.nagasaki-u.ac.jp/univj/index.html
★ 『OLD PHOTOS of JAPAN』
http://www.oldphotosjapan.com/ja/
以下は道標の文字がわからない時などに重宝しています。
★ 『近世以前の土木・産業遺産。道標など』
http://www.kinsei-izen.com/
★ 『的形道標クラブ−旧街道に残る道標の紹介−』
http://douhyou.jimdo.com/
以上です。もし他に良い調べ方や参考リンクがありましたら
コメント欄にでもお教え頂けると幸いです。
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