↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。
高岡宿の外れにある小さな枡形の跡。
道路の真ん中には融雪装置が設置されています。
まさに雪国ならではの光景ですよね。
高岡宿の外れの庄川を渡ると越中大門です。
ダルマの絵柄で有名な凧揚げ大会は
毎年5月に庄川の河川敷で行われています。
初開催は1979年というので意外と新しかったりします。
町中にはダルマの絵柄があふれていました。
北陸新幹線の高架が見えてきます。
この付近は「開発」という地名のとおり
開発によって旧道の痕跡はあまり残っていません。
そんな中、
三ヶの一里塚がひっそりと残っていました。
県内での現存は2つあるうちの1つとのことです。
小杉宿に入ります。
古い家が残る静かな町並みです。
ここから先の北国街道は二手に分かれます。
1つはこれから進む富山城下ルート。
もう1つは海岸沿いに進む岩瀬浜ルート。
いずれも再び水橋宿で合流しています。
その分かれ目が手崎追分です。
ここには立派な道標が残っています。
「左 いわせ」「右 とやま」
加賀藩の参勤交代は富山城下を避ける意味で
岩瀬浜ルートを経由して進んでいます。
ここから先は茶屋町にかけて消滅した箇所が多いのですが
所々に良い雰囲気の旧道が残っています。
1つは明治天皇が休まれた場所。
北陸本線沿いにあります。
付近一帯の草道は長閑でなんとも良い感じです。
もう一つは願海寺の七曲り。
七曲りと名が付く場所は他にも数多くありますが
大抵は敵の侵入を遅らせるなど防衛の意味があります。
この場所もかつては願海寺城があった影響で
完全な道筋とはいえないものの今も七曲りが残ります。
目の前に呉羽山が近づいてきました。
大きな梨畑の中を進んでいきます。
この付近は呉羽梨で有名です。
栽培は明治40年からとのこと。
それまでは茶畑が多かったそうです。
茶屋町は古い時代の北陸道との追分です。
年季の入った道標が置かれていました。
「小杉道」「立山道」「城端水戸田道」
古北陸道は高岡を通らないルートを辿っていて、
江戸期の北国街道より距離は短かったようです。
明治天皇小休止跡を過ぎると
呉羽山にある明神峠越えに入ります。
振り返ると今まで通ってきた平野がよく見えました。
ちなみに明治天皇一向は明治期に新しく出来た
五福新道で明神峠を迂回しています。
明神峠の時代による移り変わりは複雑です。
それだけ重要な場所だったということでしょう。
こちらが現在の明神峠。
山道になっていて
古い石積みも残る良い風情が残っています。
峠を下ると神通川を渡ります。
江戸時代の神通川の流れは今と大きく違っていて
富山城の北方を今の松川の川筋で流れていました。
なので、この付近は本来は川はなかったわけで
付け替えによって街道が一部沈んでしまいました。
堤防の上から眺める景色。
このどこかに一里塚が眠っているのだそうです。
富山市街地に入ってきました。
江戸時代はここで神通川を渡ることになるのですが
渡し舟ではなく舟橋が設けられていました。
地名には今も「舟橋」の名前が残ります。
かつての舟橋の両岸には常夜灯が2つとも残っているので
この間が大体の川幅だったことを想像できます。
この舟橋は浮橋だったので川に落ちて水死する人も多く、
管理上の不便もあって明治15年に「神通橋」が架けられています。
その長さは約231mというのでこれも相当なものですよね。
富山城下の町並みは空襲があった影響で
古い建物は少ないですが整然として歩きやすい道です。
街道は城を迂回するような道筋になっています。
富山城下を過ぎると新庄です。
新庄は上市や岩峅寺への街道の分岐点でもあって
雰囲気ある家並みが残っていました。
その1つに有名な金岡邸があります。
300年の歴史をもつ「とやまのくすり」。
主屋は明治初期の商家で
新屋は総檜造りというからかなり豪華な建物です。
展示内容は薬売りの歴史や売り方など
現代の経営にも通ずる充実したものがありました.
ここから先の北国街道は
常願寺川の影響を受けていきます。
途中にあった手屋の集落には
川の氾濫を避けるためでしょうか。
立派な石積みのある家々がありました。
それはまるで伊勢の輪中のようです。
堤防上に残る街道名残りの松。
これを過ぎると橋を渡って対岸に行くのですが
常願寺川も川の付け替えがあった影響で
道筋がいまいちわからなくなってしまっています。
今回歩いたルートは
何もない田んぼの中の道筋だったのですが
かつての常願寺川の左岸にあたるのだそうです。
ようやく旧道が復活するのは水橋宿の手前。
水橋宿は海沿いだったために
安政地震において津波の被害が甚大だったそうです。
被害によって内陸に移動することになるのですが
元の宿場だった場所は昔の面影はほとんどなく
ヨットハーバーなどになってしまっていました。
北国街道を歩いてきて初めて見る日本海です。
ただただ感動。晴れていて良かったです。
【カテゴリ:北国街道(北陸道)の関連記事】