2016年03月17日

伊勢南街道その3・橋本宿→大和上市

和歌山と分かれ奈良へと入っていきます。
梅雨の蒸し暑い道中となりました。

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↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

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橋本宿の朝。
国道には車が少なく静かです。

付近の紀ノ川は実に雄大な流れですが
県境に向けて徐々に川幅が狭くなっていきます。

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橋本宿の東の外れには
枡形の跡のような道筋が残っています。

道標には

左 こうや こかわ き三井寺 わか山
右 いせ 山上 よしの なら はせ たへま

さすがは信仰の道だけあって寺の名前が多いですね。
山上とは大峰山、たへまとは当麻寺、はせとは長谷寺のこと。

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注目すべき点としては
和歌山城から来て初めて見る「なら」の文字。

本来この道は奈良への近道なはずですが
なぜここまで刻まれてこなかったのか不思議です。

・当たり前すぎて書かれてなかったのか。
・和歌山→奈良へは別ルートが一般的だったのか。

このどちらかと思いますが
実際のところはどうだったのでしょう。

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県境が近くなってくると
若干のアップダウンが出てきます。

川幅が狭まり、丘を縫うような道筋です。

そんな中、鬱蒼とした場所がありました。
その名も闇峠(くらがりとうげ)。

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峠がピークと思いきや、
一旦下って、一気にまた登るという
凸凹した感じの峠になっていました。

名前から少し気味が悪い感じですが
周辺には墓があったり、宿場の郊外に位置することから
もしかすると刑場だったのでは?と考えてしまいます。

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かつての下兵庫の駅付近は
木賃宿がずらーと並んでいました。
橋本宿の正規の宿は高くて泊まれなかった人には
大変重宝された場所だったといいます。

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白壁が続く旧道風情。
国道から一つ入っただけなのにとても静かです。

次の真土峠は万葉集にも出てくるのですが
当時の道筋は紀ノ川寄りに進んでいたようで
江戸時代のルートとは少し変わっています。

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旧真土峠からの眺め。

車を通らせるために掘り下げられているので
国道から伸びるスロープ状の坂で旧峠まで登ります。

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県境(国境)には川が流れています。
付近の風情にかつての国境の雰囲気が残ります。

国境を越えてからもアップダウンが続きます。
長閑な田園光景が広がり平坦になると大和二見の集落です。

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踏切の名前は伊勢街道。

マップや標識類は大和街道と案内しているのが多いですが
現地で話をしていると伊勢街道という声をよく耳にします。

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さぁ、五條です。
重伝地区に指定されているので
雰囲気ある家並みが続いています。

五條の由来は
街道が5本交わっていることからと、
川が5本交わっているからなど説がありますが
少なくとも京都の五条のような意味ではないようです。

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五新線のコンクリート高架橋。

新宮とを結ぶ鉄道を建設していたのですが
途中でとん挫してしまっています。

最近までは一部の高架橋を利用しての
バスも走っていたのですがそれも廃止されてしまいました。

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まるで時が止まっているかのような町並み。

昭和チックな餅屋さんがあったり、
民家では一番古い歴史をもつ建物があったりと
五條はなかなか見どころがあります。

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本陣交差点手前にあった道標。

右 いせ 大峰山上、よしの
左 かうや わか山 四国 くまの

ここは十津川方面への分かれ場所でもあります。

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この先で紀ノ川と一旦分かれて
街道は山側へと進路をとっていきます。

なぜ、このような道筋になったのか。
おそらくは、この先の紀ノ川は峡谷になっているのと、
奈良方面への分岐の関係かなと思ったりします。

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ここで奈良方面への中街道と分かれます。

伊勢南街道はこの先に宇野峠が待ち構えています。
難所といっても今は掘り下げてしまっているので
かつてほどの険しさはないようです。

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峠を下ると再び紀ノ川が寄り添ってきます。
川の名前は紀ノ川から吉野川に変わっています。

断崖絶壁のような道筋を進むと下市口の町。
大峰山への入口にあたります。

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吉野らしく木材の集積場があったりと、
狭い平地を上手く利用して町並みが作られています。

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六田駅はかつての吉野駅。
現在の吉野駅まで電車が通るまでは
ここから渡し舟と徒歩で向かっていました。

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柳と大きな常夜灯が印象的な「柳の渡し」

常夜灯は道標も兼ねていて
「よしの」の文字が刻まれています。

この付近の川の流れは実に緩やかで
渡し場が他にも2カ所ほど存在していました。

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国道沿いを進んでいくと上市が近づいてきました。

夏場は川でバーベキューをする人が多いですが
まだ梅雨が明けていないので静かな河原でした。

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上市の旧道には立派な家が残ります。

次は最大難所の高見山の区間です。
1泊2日の行程で歩いていきます。


 
posted by にゃおすけ at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 伊勢への街道 | 更新情報をチェックする
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