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良く冷え込んだ朝。
手洗い場の氷には厚みがありました。
まずは赤坂峠を越えていきます。

峠の先にある船山神社。
今歩いてきた峠を眺めてみると
名前のいわれ通り舟の形に見えてきます。


この山容から戸田という地名は
船形→船田→戸田と変化していったそうです。

戸田は市で賑わってきた場所です。
宮島様と呼ばれる昔からある祠は
厳島神社のように池の中に立っています。



今回の区間では峠が幾つか続きますが
どれも標高は低いもので楽なほうです。
次なる峠は椿峠。
国道の脇には江戸時代の道筋が残ります。



立派な郡境碑がありました。
若干荒れ気味の場所に静かに立っています。
「従是 東都濃郡、西佐波郡」

峠を越えると視界が広がり海が見えてきます。
ここまでずっと山の中だっただけに感動ものです。
きっと昔の旅人も同じような感覚だったことでしょう。


富海宿は名前の通り海に面した集落で
「飛船」という海運で賑わっていました。


中でも大和屋飛船問屋は
勤王の志士を支援していた所で史跡になっています。
富海宿の特長は街道の道筋が他の場所より一段高くなってる点で
海側の路地を見ると結構な段差になっていて見事な石積みが並んでいます。


これは恐らく海から町(街道筋)を守るという意味があったのでしょう。
港町でもある宿場町の知恵を見ることができました。
横には気持ちの良さそうな砂浜が広がります。


次なる難所は浮野峠。橘坂を上ります。


街道の下にはJR線、旧国道、国道のトンネル、新幹線と
交通機関がこれでもかというぐらい集中しているので
東海道のさった峠に似ていると言われることがあります。

この大きな石は手掛岩。
なでると足が軽くなるのだとか。



峠道はハイキングコースとして整備されています。
道の端に石畳が残ってる場所もあったりと
全体的に江戸時代の風情が残っています。

そんな浮野峠も明治に一部改修が行われています。
看板にある古地図を確認するとごく僅かな区間です。

改修前の江戸時代の道筋は少し残ってるのですが
狭い上に若干荒れていてわかりづらくなっています。


浮野峠を越えると防府の町に入ります。
防府は国衙跡や国分寺があった周防国の中心地。
また防府天満宮の鳥居町としての一面もあります。


国衙の跡。広々とした広大な場所です。
街道は国衙跡の中を突っ切る形で進みますが
江戸時代にはすでにこのような道筋になっていたそうです。


多々良大仏


国分寺の広い境内
防府天満宮前の交差点で港側から来る萩往還と合流します。
萩往還とはしばらく重複して西へと進むのですが
この重複した場所にある宿場町が宮市宿でした。




宿場には古い家が残っていて
かつての繁栄ぶりをうかがわせてくれています。
ただ、狭い街道筋には車がひっきりなしに行き交っているので
ゆっくり楽しむことができないのは残念なところです。
本陣は地域の豪商だった兄部家が担当していたのですが
立派な建物は近年解体されてしまっています。

本陣の跡


佐波川を渡ります。
ここには大崎の渡しがありました。
かつては渡しを見守るように
植松神社という大きな社があったのですが
現在は少し離れた橋のたもとに移転しています。



この辺りから大きな常夜灯が目立ち始めます。
次なる難所は佐野峠です。


峠の頂上には駕籠立場があって
眼下には高速道路のサービスエリアが広がります。



峠からの眺めは佐波川の河口付近を見渡せます。
「まことに山陽第一の佳景なるべし。」
サービスエリア整備によって
一部旧道が消滅してしまっていますが
全体的に良い風情が残ってる峠でした。


市があった岩淵集落を過ぎると
今回のゴールである大道駅付近に到着です。
【カテゴリ:西国街道(山陽道)の関連記事】
福川から大道までの区間を4月上旬に歩きました。
写真17の付近では河川の護岸工事をしていました。橋の位置や道筋が変化するかもしれません。
防府天満宮の前の街道沿いには「うめてらす」という観光案内所ができていてお茶やゆっくり休憩することも可能です。今年は維新150年ということで山口県は萩往還を整備していて、そのためか防府天満宮付近はきれいに整備されています。
佐野峠は山口ビュースポットに選ばれていてその案内板がいくつか新たに設置されています。駕籠立場からSAに面したビュースポットまでは比較的綺麗に整備されていました。そこから先は快適に歩けるものの、今回でも少し荒れ気味でした。
快適に歩けて楽しかったです。
防府のあたりは僕が歩いたときは工事だらけで
その後が気になっていただけに報告嬉しい限りです。
いよいよ西国街道歩きも終盤ですね!引き続き楽しまれてきてください。
この度、御庄宿〜小郡宿まで歩きました。
にゃおすけさんのルートを基本参考にして歩かせていただきました。
ほとんど、にゃおすけさん記載の通りでした。
1点椿峠は工事がされていて、左側の旧道からアンダークロスする道は行けませんでした。峠のラーメンショップの脇道から降りることもできましたが、右側の歩道をだいぶん歩いて、右に下りれる道を下りてアンダークロス後の旧道に戻る形をとりました。
X(@araigumada)に上げていきます。にゃおすけさんをフォローさせていただいております。あと1回の遠征で下関に着きたいと思います。引続きよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
近況の状況を教えていただき大変嬉しいです。
この辺りは海も近くバリエーション豊かで、
歩いていて楽しかったのを昨日のことのように思います。
あと一回で完歩のこと。影ながら応援しております。
また、何か不明な点などありましたら
お力になれるかわかりませんがお気軽にお聞きください。
にゃおすけさんの言う通り、今回は歩いていて飽きない、楽しい街道歩きでした。地元の方にもお声かけ頂いて、山陽道は歩く人も多いのだと感じました。
奥州街道、羽州街道も歩いているのですが、直線をひたすら歩く道もあり、全く違う街道歩きです。
それにしても西国街道15の玖波宿から高水駅44Kを1日で歩くのは自分ではとてもできないと思いました。
引続きよろしくお願いいたします。