情報が古くなってきたので改めてまとめてみます。
これまでの街道歩きテクニックはこちら↓
http://borabora.seesaa.net/category/23020010-1.html

まずはじめに革命的な出来事がありました。
米スタンフォード大学のサイトで古地図の公開がはじまったのです。
http://stanford.maps.arcgis.com/apps/SimpleViewer/index.html?appid=733446cc5a314ddf85c59ecc10321b41
戦前の大日本帝國陸地測量部が作成、修正したもので
近畿地方などで一部漏れはあるものの日本全国をほぼ網羅。
これまで図書館や国土地理院から取り寄せが必要だったものが
気軽に見れるようになったのは凄いの一言です。
しかも高精細な上にダウンロードまで出来るという。

あくまで戦前の地図なので江戸時代のものではないのですが
旧街道の特定作業の効率があがるのは間違いありません。
漏れがある地域でも現在スキャン作業が行われてると聞きます。
いずれ次第に埋まっていくとものと期待していますが
それまで待てないよ!って方は「今昔マップ」をオススメします。
http://ktgis.net/kjmapw/
対象が一部地域に限られているものの
現代のマップを見ながら比較検討できる優れもので
空中写真も同時に見れるというのも大きな利点です。

使い勝手の良い今昔マップ
では、具体的な旧道の調べ方の流れをまとめてみます。
1、書物あるいは先人さんのサイトを見る
2、それらを参考にルートをとりあえず引っ張ってみる
http://borabora.seesaa.net/article/417391202.html
3、航空写真や古地図、他の資料を参考に修正
http://borabora.seesaa.net/article/400848931.html
4、ストリートビューなどで気になった場所、最新情報をチェック
私はだいたいこんな感じでやっています。
1〜3についてはこれまで書いてきたことなので割愛しますが
4の最新情報のチェックは歩く前の総仕上げといえる作業です。
例えば追分の状況はどんな感じか、石仏はあるのか、バス停の位置は?
もちろん現地に行っての楽しみもあるので見ないのもアリだと思います。
あくまで地図に見えてこない部分の補完の意味なので
実際のところ毎回毎回チェックしているわけではありません。
それでも通行止めの情報は前もって知っておいたほうが得策です。
現地で右往左往しないためにも安心感が違ってきます。
通行止めの調べ方は現地の自治体に聞くのが一番ですが
有名な街道の場合はネットの口コミでなんとかなるでしょう。
具体的には検索(Twitter、Googleなど)を使います。
キーワードは年号+街道名+ルート上の地名+迂回or通行止めetc
こんな感じで良いでしょう。
例えば2016年10月に熊野古道を歩くとしましょう。
キーワードを「2016」「熊野古道」「本宮大社」「迂回」とすると
以下のような迂回情報が出てきます。
http://www.hongu.jp/kumanokodo/walk/kobiro/

熊野古道で思い出しましたが
街道マップを自治体などが発行している場合があります。
どれも素晴らしい出来で大変有り難いものです。
大阪府歴史街道ウォーキングマップ
http://www.pref.osaka.lg.jp/doroseibi/kakusyusesaku/rekishikaidou.html
奈良の風景街道
http://www.pref.nara.jp/13563.htm
みえの歴史街道/ウォーキング・マップ - 三重の文化
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/kaidou/walking/
名古屋をとりまく歴史街道 : Network2010
http://network2010.org/kaido/
高野巡り・熊野古道|和歌山県観光情報
https://www.wakayama-kanko.or.jp/walk/
と、関西だけでも様々なものがあるのですが
自治体の発行のものは安全を考慮して作成されがちで
本来のルートとは別の場所が指定されてることがあります。
熊野古道の例でいうと
線路跡が歩道になってるケースがあるのですが
明らかに違う場所なのに熊野古道指定されています。

線路跡がルート指定されている例
おそらく安全性を考慮したものと思うのですが
それならそういう旨の説明がマップ上にあれば
間違えて歩く人が減るのではと思います。
もっとも、熊野古道に関して言えば平安時代の道ですし、
どこをどう通ったかは謎な部分が多いのは仕方ありません。
複数ルートや時代によってのルート変更が当然あります。
それを全部マップに記入するのは到底不可能なものです。
それならば、どういう趣旨でルート選定したのかの注釈を
利用者にわかりやすい場所に書いて欲しいところです。

指定から外れたルートは消える運命なのか
このような公開されているマップや資料から本来の道を見つけだすには
先述した「3、航空写真や古地図、他の資料を参考に修正」が有効です。
すでに歩かれている先人の方々の資料は敬意を払うべきで
仮に自分が思ってるルートと違っていたとしても
別ルートの可能性があるので完全否定せず参考にしたほうが良いでしょう。
「修正が必要な場所には何かある」
そういう場所は古い時代の追分だったりするもので
さらに掘り下げて資料を調べたり現地調査で時間を取るようにしています。
以上、いろいろ書いてきましたが
街道歩きの楽しみ方は千差万別で人それぞれです。
ルートに拘る、拘らないは別にして楽しんで歩きましょう。
では、enjoy!街道歩き
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