2016年12月12日

淡路街道・和歌山市西ノ庄→粉河

淡路と名前が付いていますが
淡路島、四国と関係のある和歌山県北部の街道です。

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↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

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和歌山市は西ノ庄。
放射冷却の影響でかなり寒い朝でした。

淡路街道は大和、紀伊北部から紀ノ川沿いに
四国と淡路島の拠点である加太港とを結んでいます。

このルートは古代の南海道の道筋にもあたり
地方街道ながら重要な役割を担う街道でもありました。

加太〜西ノ庄の間は前に淡嶋道として歩いているので
今回は東の粉河へと向かっています

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木ノ本八幡宮の大きな鳥居。
近隣の氏神様で拝殿は山の中腹にあります。

山向こうは大阪府(和泉)になるわけですが
県境の山には街道が幾重にも通っています。

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その代表的なのが紀州街道であり孝子越街道であり、
どのルートもそれぞれ特徴があります。

淡路街道はそれら街道の紀伊側の拠点を結ぶ道筋なので
交点ではある程度の賑わいがあったのではと思います。

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木ノ本付近は現在の県道よりも
少し北側にある旧道を通っています。

一見、狭い路地といった感じなのですが
明治の早い段階で新道が作られたおかげで
古い時代のものがそのまま残っています。

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大きなお堂がありました。
手前に道標もあります。

左、加太。右、根来。

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梅谷交差点で孝子越街道と交差します。

淡路街道と孝子越街道は200mほど重複して進んでいきますが
再び分かれる地点は資料によってまちまちで悩むところです。

今回は歴史の道調査報告書を参考にしているのですが
それによると本来の分岐点は用水路の改良によって
消滅してしまっているではと考えられているようです。

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孝子越街道というと大阪と和歌山のメインルートの一つ。
本来なら道標や常夜灯があっても良さそうです。

左手に紀泉の山々を見ながら進んでいきます。

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平井峠が見えてきました。
孝子越えが整備される前は平井峠越えがメインだったようで
孝子観音あたりに抜けることができます。

ただし、現在は国道バイパス工事の最中なので
平井峠を越えるのは困難なようです。

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六十谷駅付近。
こちらも道路の拡幅工事の真っ最中。

先ほどの国道バイパスの工事もそうなのですが
和歌山県では近く開かれる国体に向けて
道路工事があちこちで行われています。

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幸い淡路街道に関しては道の消滅は少ないようですが
開発が進むにつれ幾ばくか影響が出るかもしれません。

旧道は新道と行ったり来たり。
交差を繰り返しつつ進んでいきます。

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やがて紀伊駅付近。

ここは昭和的な風情があって良いのですが
いかんせん車の量が多すぎます。

狭い路地に車が集中して
年中渋滞してるイメージです。

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駅付近は昔ながらの県道ですが
少し進むと元々の旧道は県道から離れます。

旧道は路地といった風情。
祠があり火の見櫓が立っていました。

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かつてはこの旧道がメインだったわけですが
交通量が多くなったので現在の県道が出来た経緯があります。
しかしながら、その県道も今や狭さは否めません。
さらなるバイパスが必要になってくるでしょうね。

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山口神社付近。

この付近は熊野街道と一部重複しているので
案内看板を頼りに散策されてる方をお見かけしました。

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道標が2本。

1本は墓の敷地に移設されたもので
もう1本は道路の下に半分埋もれてしまっています。

おそらくは「ねごろ」と書かれているのでしょう。

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根来といえば根来寺で有名ですね。
戦国時代は僧兵を有する巨大な拠点だったそうです。

その根来地区を淡路街道は通って行きます。

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かだ、いずみの文字がある道標。

この付近になると長閑な光景が広がってきます。
田畑が多くなり農作業風景を楽しめました。

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関西では珍しい双体道祖神。
小さな祠に石仏がひしめき合っています。

おそらくは道路拡張時に
移設され集められたものとは思いますが
今もこうやって残ってるのを見ると嬉しくなります。

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静かな一本道が続きます。
人も車もめったに出会いません。

ある程度大きな集落が続いているずなのですが
ここまで何も出会わないのは不思議な感覚でした。

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粉河が近くになるとスタートの西ノ庄からは
標高が100m以上高くなっています。

全般的に起伏がある道筋になってきて
所々に大きな溜め池が増えてきました。

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粉河は西国三十三カ所の粉河寺がある集落。
街道沿いは宿などがあり賑わっていたようです。

粉河で貝塚からの粉河街道と合流します。

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今回のゴールは集落の外れにある
大和街道(和歌山)との追分です。

立派な道標と常夜灯がありました。

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ここから先は大和や遠く伊勢へと続いています。

  
posted by にゃおすけ at 10:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 大阪近辺の街道 | 更新情報をチェックする
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