2017年03月08日

熊野古道紀伊路その9&中辺路その1・南部→鮎川王子

いよいよ中辺路へ。

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↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

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暑い時期は朝のうちに距離を稼ぎます。

海の眺めが綺麗な堺漁港。
漁港の先からの海岸線は護岸整備されてないので
昔ながらの岩がむき出しの海岸になっています。

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コンクリ壁には郡界石が埋まっていました。
ここが南部と田辺の境目にあたります。

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芳養(はや)王子跡は今の芳養大神社。

秋に5〜7歳くらいの子どもを着飾って
大人が肩車をする「美女万歳」が奉納されています。

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芳養松原という地名。

この先にある牛の鼻という岬まで続いてたと思うのですが
海岸線の埋め立てによって昔の面影がありません。
かつては相当な松原が広がったいたことでしょう。

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昔の名残りを惜しんでか
国道沿いに若い松が植えられていました。
松の間から眺める海はいいものですね。

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田辺市街地は城下町だった影響で
道筋には枡形や道標が残っています。

熊野古道はここで川の上流へと進路を変えます。
平安時代の田辺市街地は広大な湿地帯だったので
住むことはおろか通ることさえ出来なかったそうです。

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中世から江戸時代になると市街を通るようになりますが
新旧の分岐点というべき場所が出立王子跡です。

潮浴びのことを潮垢離というのですが
出立王子前方ニある潮垢離浜で体を清めていました。

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ちょっとした山を登っていくと田辺の港が見えてきました。
昔は湿地だったと思えないほど発展しています。

ここから中辺路と名前を変えます。

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この先は会津王子跡、万呂王子跡と経由していきますが
どこが本当の場所だったか謎が多い王子です。

会津川の流れの影響で道筋が頻繁に変わったり
近世になってからは現市街地を通るようになったので
両王子は随分と早い段階で寂れてしまったのでしょう。

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その万呂王子を通過している時のこと
手持ちのiphoneの電源が突如切れてしまいました。

完全に放電していたので予備バッテリーでは充電できず、
店を何軒か回って充電させてもらったのですが
今度はいくら充電しようが17%からあがらずで困りました。

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地図類をすべてiphoneに入れてあるので
いつまた電源が落ちるかヒヤヒヤしてたのですが
結局は予備ケーブルに付け替えたら直りました。
ようするに中で断線していたんですね。

これが山の中だったらと思うとゾッとします。
全てを電子化してると危険だなと改めて思いました。

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さて、三栖王子跡です。
ここから先は草道が多くてわかりにくくなっています。

有名な中辺路といえども
今回の区間はほとんど人が歩いてないようです。
ただ、藪は真夏の時期でもこの程度だったので
冬から春は普通に歩けるかもしれません。

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こういう場所でも案内看板はあるのは嬉しいところで
さすがは熊野古道だなと思いました。

八上王子までの間では崩落個所があります。
迂回が推奨されていますが赤テープの目印があったので
自己責任で進んでみました。

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さすがに迂回推奨区間は草は伸び放題。
倒木もいくらかありましたが路盤はしっかりしてるので
意外とスムーズに歩けるものでした。

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ここが崩落場所です。
2mほど道がなくなっていました。
上側に迂回路があったので利用しています。

熊野地方は雨が多い地域です。
こういう崩落はどこであってもおかしくないわけで
そのたびに迂回を繰り返していたのではと思います。

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崩落場所を過ぎて舗装路にでました。
八上王子跡には歌人西行法師の歌が残ります。

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次は稲葉根王子跡になるのですが
昔ながらの山越えで進むのは結構大変です。

山道に入ると案内看板はほとんどなく、
GPSがないと道がわからないほどです。

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伸びまくる草。

所々に雰囲気の良い場所もあるんですが
植林の影響などで道筋が壊れている状態です。

峠付近の立派な切通しには感動しました。

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下り坂はこれまた倒木だらけの急坂。
動物の罠が仕掛けられていたりして大変でした。

そうこうしてるうちに稲葉根王子跡。

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ここは五体王子の1つ。
立派な境内でちょっと一休み。
心洗でタオルに水を含ませて顔を洗います。

気持ちいい!!

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ここから先は熊野の聖地から流れている
富田川に沿った道が続きます。

熊野古道は川を何度も渡って進むのですが
繰り返すことで心身ともに浄化するという話があります。

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稲葉根王子跡から一ノ瀬王子跡へ。
さっそく富田川を渡ります。

ルートが二手に分かれてるのですが
今回はだるま寺を経由する道筋を使いました。

潜水橋から見る水面はとても澄んで綺麗でした。

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だるま寺。

この周辺は看板通り進めば大丈夫なのですが
本当に熊野古道?と疑問の場所も多々あります。

でも普通に考えると川沿いなので氾濫はつきものなので
安全を考えて高台を通っていたのかなとも思います。

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一ノ瀬王子跡を過ぎて川の右岸を進みます。

この付近は舗装路で熊野古道の雰囲気はないですが
景色はダイナミックなものがありました。

飛び込みたい!

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鮎川王子にかけては山の中腹を進む場所があります。

現在の国道は無理矢理川沿いに作られているのですが
当時は道を通す技術がなかったので山へ向かったのでしょう。

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逆に氾濫期でない川の流れが安定している時は
河原を通っていたのでは?と考えてもみたのですが
熊野特有の漬物石みたいな石がゴロゴロしているので
とても歩けたものではなかったのだろうと想像できます。

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今回のゴール鮎川王子跡。

宿は田辺市街で取ったのでバスで戻りました。
1時間に1本程度あるので便利なものです。



   
posted by にゃおすけ at 10:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 熊野・紀州への街道 | 更新情報をチェックする
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