かく言う、私も社会人になるまでは知らなかった場所でして、
知り合いの女性がエーゲ海の牛窓にいってきたよ。と話をするものだから
デートや若者にもってこいの場所というイメージがついていました。
今回、街道シンポジウムで寄ることになった牛窓ですが、
そういうイメージとは違う静かな古い港町がそこにありました。
歴史をひもとくと、
牛窓は瀬戸内海を行き来する船の港として発展して、
江戸時代は朝鮮通信使の寄港地でもあり重要な場所でした。
陸には西国街道という幹線もあったわけですが、
難所が多く悪路の場所が幹線の割には多かったので、
長距離移動は航路を利用することが多かったようです。
上の写真は町のシンボル的な存在の「牛窓燈籠堂跡」
唐琴の瀬戸という牛窓と対岸の前島との間の海峡に
夜間の標識として江戸中期に設置されたもので
今の建物は昭和63年に復元されたものです(基壇部分は昔のまま)
この日は波のほとんど立たない静かな海峡でしたが
太平洋といった外海の荒々しさとはまた違った光景で
瀬戸内らしいのんびりした時間が流れていました。
すぐ横にある神社には猫がいっぱい。
何十匹もの数で釣り人の魚を狙っていました。
なんとも微笑ましい光景ですよね。
先ほど、朝鮮通信使の話が出ましたが
上陸の際に泊まった宿が「御茶屋」と「本蓮寺」です。
これらは参勤交代における本陣のようなものになります。
本蓮寺から眺める見事な夕日。
牛窓は夕日百選に選ばれた場所があるところなので
こういう場所は夕暮れに訪れると良い思いをします。
港から見る夕日も素敵ではあるのですが、
ここは思い切って高台に上ってみることをお勧めします。
天神社からの眺めは特に良いみたいですね。
瀬戸内ならではの海の光景は
日本のエーゲ海と呼ばれる由縁の一つです。
ちなみにこのフレーズは1982年から使用されたもので
牛窓から見える景色に加えて本場に似た温暖な気候であることから
エーゲ海とよく似ているということで名付けたとのこと。
あと、当時はヨーロッパ旅行が人気を集めていたことから、
エーゲ海と付けることで集客力のアップに期待をこめたそうです。
井戸めぐりも楽しみのひとつ
冒頭に話したデートや若者にもってこいの場所というイメージですが、
こういう夕日の風景を見ていると確かにそうだなという思いもします。
観光に関してもオリーブ園など若者向きの場所がいくつかあり、
パンフレットでもそれらが全面にあることが多い印象です。
ですが、牛窓は掲載されてない場所も魅力的な場所が多く
訪れる際は歴史を頭に入れつつ観光してみると
より牛窓を満喫できるのかもと思いました。
宿は対岸の前島の民宿に泊まりましたが、
フェリーでわずか5分でいける距離にも関わらず、
離島ならではの静かな雰囲気を楽しめ、宿代も驚くほど安い。
少し不便ですが離島に泊まるのは全然アリでしょう。
牛窓にはペンションも多くあるみたいですが、
この歳になると民宿のほうが落ち着くかな(^-^;
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