2020年07月21日

上高地線である国道158号の改良1 〜松電バイト記憶から番外編〜

今回は番外編として国道158号の変化について書いてみます。

新島々と上高地を結ぶ路線は本線と呼ばれていましたが、
以前は1時間15分だったのが今は1時間5分に短縮されています。
これは釜トンネルの改良が大いに影響しているものですが、
途中の区間での地道な改良も効果があったものと思われます。

では、新島々から上高地に向けて出発してみましょう。



山小屋風の素敵な駅舎になっていますね。
よく見るとお客の導線が変化しているようです。
昔はお土産物屋がある通路を経由する不便な構造でしたが
スムーズに乗り換えれるようになったことは良いことです。

ちなみに、駅前の一等地(?)に松電の寮がありました。
プレハブ2階建てのタコ部屋で薄汚いものでしたが、
どうも2015年頃までには取り壊されたようですね。
道路改良が進んだことで繁忙期の車掌需要が減少してきたので
時間の問題と思ってましたが無くなるのは寂しいものです。



国道158号は安房トンネルが出来てからは
高山、富山への通行量が飛躍的に増えたように思います。
当然それを見込んで開業前から道の改良が進められていました。

長野県側の国道158号は野麦街道を軸にしたものです。
全般的に梓川に沿った道筋でカーブやトンネルが多く、
途中の集落である徒歩での上高地登山口になっている島々や、
交通の要衝であり物資輸送の中継地であった稲核宿では、
集落内を通ることから線形は良いとは言えないものでした。



例えば、島々バス停付近。
バイパスが出来て通行量が少なくなりましたが、
急カーブが存在し通過するために減速しなければなりません。
この為、時にはカーブを先頭にした渋滞がおこります。

一方、稲核宿の急カーブは元は桝形の一部であり今も残ります。
カーブは昔と比べると内外に大きく拡張された形跡があり、
山と崖に挟まれた狭い場所にも関わらず苦労の跡が見られます。



さて、江戸時代までの野麦街道の道筋ですが、
現在の位置とは違い、梓川右岸の山中を通っていました。

山の中を進むことは街道を敷く上で一般的なことでして、
川沿いは建設が困難であり洪水で危険が多いことがその理由です。
明治になって技術が発達したことや自動車を通す必要性から
川に沿った道が開削され現在と同じ梓川左岸に移ります。

島々宿の少し上流に橋場集落がありますが、
ここにある雑炊橋は初めて架かったのは平安時代に遡ります。
両詰が天然の岩盤だったことから構造は刎橋となっていて
松本藩において通年の使用が可能な数少ない橋だったそうです。

車掌をやっていた当時は、そんなことはつゆ知らず。
今だったら街道のことを熱弁していたんでしょうが・・・

案内放送では両岸の男女が好き合う仲になったけれども、
橋が架かってないので頻繁に行き来して会うことが出来ず、
それならと雑炊で節約し、そのお金で架けたという話をしてました。
まあ、よくある恋愛話です(この方がお客にとっては面白かったのかも)

現在、稲核までの左岸には洞門は多いもののトンネルは1本のみ存在します。
それが三本松トンネルで橋場付近の大崩落を受けて急遽作られました。



雑炊橋の右奥に崩落した洞門が見えます。
トンネルが出来るまでの3年間は河原に仮設道路を敷き、
大量の観光輸送を乗り切ったというから大したものです。

峠は峠で怖いですが
川沿いはこういうことがあるから怖いですね。

さて、長野県の国道158号で欠かせない話が
安曇三ダム(稲核、水殿、奈川渡)のことでしょう。
車窓に大きなダムと湖が広がり我々を楽しませてくれます。



これらダムの役割は揚水式といって
昼間の電力需要が大きい時は普通に発電をして、
逆に夜間は電力需要が低いので余った電力を使って、
一番下の湖に貯まった水を上の湖に引き上げる作業をします。

このことは車窓からも一目瞭然です。
朝は一番下の湖には水がそれほど貯まっていません。
ところが帰りには満タンになってる。といった具合です。

揚水式の発電は、水を再利用できる発電方法で、
雨量が少ない時でも安定的に発電が出来るのが利点の一つです。



これら三ダムを造る際に国道158号は改良工事を受けます。
必要な資材を大量に輸送するには道が脆弱だったからです。
湖底に沈む区間は高台への移転を強いられました。

この改良のおかげで片側1車線の立派な道へと変貌し、
トンネルでルートが短絡され所要時間も短くなりました。

ただ、トンネルは現代の寸法からみると狭いものです。
一部のトンネルでは付替えたルート上で崩落があったため、
崩落を迂回する形で急遽作られた影響もあったようです。

いずれにせよ、近年の交通量の増加を考えると十分とはいえず、
歩道もない狭いトンネル内での大型車の行き違いにおいては
徐行を強いられることがあり渋滞の原因になっています。
そこで、抜本的な改良が求められるようになりました。

梓川(あずさがわ)の揚水発電用ダムの建設
http://ktymtskz.my.coocan.jp/K/dam0.htm

このページは見ごたえがありますね。
以前は、奈川渡ダムに東京電力のPR館があって、
ダム内部の見学が出来たり大変勉強になったんですが、
福島原発の影響で残念ながら閉館になってしまいました。

その2に続きます。


  


posted by にゃおすけ at 15:01 | Comment(0) | 懐かしい記憶 | 更新情報をチェックする
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