2020年07月28日

上高地線である国道158号の改良2 〜松電バイト記憶から番外編〜

前回は安曇三ダムについてまでお話しました。

水殿ダムから奈川渡ダムにかけては
狭いトンネルが続き非常に走りにくい区間です。

抜本的な改良工事として進められているのは
「一般国道158号 奈川渡改良」というもので
この区間に新たにトンネルを掘って一気に抜ける計画です。

工事の概要について概要
https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000711114.pdf



いずれ工事起点から先はバッサリと旧道化になるわけですが、
木々の隙間から見える奈川渡ダムの光景や眼下の景色が
見れなくなる可能性があると思うと寂しい気持ちではあります。

眼下といえば、この辺りはかなりの高さになります。
手前に鵬雲崎バス停には蕎麦屋があるのですが、
ここにある展望台からの景色はなかなかの絶景です。
ダムとダムとの中間に位置するのでダム湖は川幅ぐらいしかなく、
まるで山水画のようなダイナミックな光景が楽しめます。



大白川バス停付近のヘアピンカーブ。
新しいトンネルの坑口が見えていますね。

この先にある新入山トンネルを抜ければ奈川渡ダムです。



「アーチ形のダムとしましては日本で2番目の大きさを誇り〜」
「左手に見えます梓湖は諏訪湖の2倍の貯水量〜」

たしか当時はこんな案内をしていたと思います。
ストリートビューを見ての通りダムの真上を走ります。

「渡」という名前は、この地方の独特の言い回しで
「奈川渡」は「ながわど」というように「ど」と読みます。
川と川の合流する場所という意味になります。

上高地への輸送拠点に「沢渡(さわんど)」地区がありますが、
お客の中には結構な確率で「さわたり」と言うことが多く、
誤乗は少なかったように思いますが大変紛らわしかっためか、
現在はバス停名が平仮名になっています。

【追記】
現在の奈川渡ダムはアーチ形では日本で3番目になっています。
また、貯水量は土砂の堆積で諏訪湖の2倍あるかは微妙なところです。



水底の記録写真という動画があがっていました。
当時の風景や話など貴重で大変興味深いものです。

ダムが出来る前の国道158号線は地図で見ると
現在とは逆の梓川右岸を通っていたことがわかります。
これは江戸時代にトバタ崩れがあった影響で、
右岸を通らねばならない事情がありました。

梓川上流・トバタ崩れ(1757)に伴う天然ダムの形成と決壊対策
https://www.sff.or.jp/content/uploads/H19Gakkai12.pdf

とても左岸は通れる状態でないことがわかりますね。
対して右岸もガンクラという難所で安全ではなかったようです。

前回、揚水式発電についてお話をしましたが、
三ダムのうち一番上流に位置する梓湖は、
夕方になると水量がかなり減ることになりますが、
水不足の年だと沈んだ道路が見える場所がありました。

当然、痕跡はボロボロです。
しかし、これは生活があったという証拠であり、
昔の様子を少し垣間見れるもので嬉しいものでした。



沢渡が近くなってくると梓湖は狭くなり、
やがてダム工事前から存在していた旧道が合流してきます。

上のストリートビューは沢渡の手前の大崩落ですが、
ここから中の湯にかけては、こういう崩落が何か所もあり、
かつての旧道は幅が狭く大変危険なものでした。

そこで、橋やトンネルで一気に抜ける抜本的な対策が取られました。

先ほどまでの区間とは打って変わっての快走路が続きます。
沢渡から上高地までは約30分の道のりです。
抜本的な対策がなければこうもいかなかったはずで、
上高地の観光需要を支える肝はココと言えるほどです。

上高地ではマイカー規制を早くから実施してましたが、
長野県側では沢渡地区の駐車場に置くことが基本になっています。

沢渡には広い土地があったから拠点になったようですが、
温泉は引かれ、大駐車場がいくつもあり、新道まで出来て、
私がいた当時と比べると3倍以上のキャパになってるように見え、
沢渡地区の発展には目を見張るものがあります。

おわりに。
上高地線である国道158号区間について書いてきましたが、
バイトをするまでは「上高地」という名前は知っていたものの、
非常に遠い場所で行きづらい場所という印象をもっていました。

それが実際に行ってみると国道はきちんと整備されており、
意外と近くて行きやすいんだと驚いた次第です。
もちろん、これは今までの改良の歴史があったからこそ。
昔の人は本当に苦労して上高地に行っていたのだと思います。

これまで道の改良に就かれた先人に感謝するとともに
今後の発展にも楽しみにしたいと思います。



posted by にゃおすけ at 14:22 | Comment(0) | 懐かしい記憶 | 更新情報をチェックする
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