未舗装路(ダート)に出会うことが少なくなりました。
あるとすれば山奥や私道、農道ぐらいでしょう。
そういう現代において料金を徴収するにも関わらず、
舗装されていない有料道路が存在します。
奈良奥山ドライブウェイです。
上の写真のように東大寺の裏手を走ることから、
奈良盆地の端から端まで一望することができます。
若草山は木を生やしていない特長的な山ですが、
ドライブウェイは山頂を目指し標高を上げていきます。
ここからの眺めもまた絶景。
夜は夜で素晴らしい夜景が眺めれることでしょう。
さて、ここからが本題の区間。
奈良奥山ドライブウエイは3区間に分かれています。
若草山までの区間で1区間、ダートの区間で1区間、
そして最後にまた舗装路となり1区間という具合です。
ダートの区間は世界遺産に登録されている地域で、
春日山原始林の鬱蒼とした中を進んで行きます。
また、ハイキング道の役割もあり人とすれ違います。
春日山原始林は古くから狩猟と伐採が禁止されていて、
春日大社の聖域として守られてきたといいます。
そういう中を道が通っていること自体が驚きなんですが、
必要最小限の造りを見ると元は古道だったように見え、
無理矢理広げて管理用として車も通れるようにした上で、
一般にも開放されたというのが経緯なのでしょう。

上は今昔マップから明治時代の地図からの引用ですが、
見事にドライブウエイと古道が重なっているのがわかります。
このような経緯から人も歩くことが可能になっていると思いますが、
有料道路を歩けるのは珍しい部類かもしれませんね。
このダート区間を車で通過する場合は、
距離の割には普通自動車で1,860円と結構な高額です。
これは、この区間が奈良県の所有する道路になってる為で、
高くすることで自動車の総量を抑制する意味があるそうです。
有難いことに駐車スペースが何か所もあり、
気になった場所でエンジンを止めれば静寂が訪れます。
奈良の市街地からそれほど離れていない場所。
聞こえるのは虫や鳥の声ばかり。
古木からは大量のマイナスイオンが発生しているのか
空気は美味しく非常に癒された気分にさせてくれます。
ちなみに出口には
「お帰りは信貴生駒スカイラインへ!」と掲げられています。
これは同じ近鉄グループなので宣伝目的であると思いますが、
同日に奈良盆地の反対側にまで行く人は果たして・・・!?
と、少々疑問です。またの機会に是非といったところでしょうか。
この日はお盆の合間の平日でしたが、
東大寺の門前の賑わいは昔とは随分違うものでした。
やはりコロナの影響で外国人が少ないのもあると思います。
涼もうと東屋に向かうと鹿たちが占拠していました。
暑いときは人と考えることと同じですね。
近くにある植村牧場ではソフトクリームが頂けます。
こんな町中に牧場があるなんて意外ですが味は絶品そのものです。
もし、東大寺周辺での観光を済ませて一服するならば
植村牧場に立ち寄るというのも良いかもしれませんね。
【カテゴリ:近畿ボラボラ_奈良の関連記事】