2021年01月25日

古墳地帯を往く・古市街道その1

大阪に住んでいても古市と聞いて
ピンとくる人は案外少ないかもしれません。
百舌鳥・古市古墳群の世界遺産への登録を受けて
今、大阪の中で脚光を浴びている地域の一つです。

古市街道は大規模環濠集落で有名な平野郷より
東高野街道と竹内街道が交わる古市とを結びます。


↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

かつての平野は堺と同じような都市構造でした。
幸いにして、戦災は殆んどなかったおかげで
堺とは対称的に今も古い雰囲気が残っています。

杭全神社前の道標には葛井寺、高野山、大峰山の文字。

平野は集落としての規模が大きいものだったので
人々の往来は多く、経由する街道が数多くありました。

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平野集落の各出入口には門が設けられていました。
この田畑口は平野郷十三口の一つです。

ここに置かれてあるお地蔵様は
役の行者像が一緒に祀られているのが特長です。
これは大峰山への参詣者も多く歩いていたことを意味します。

田畑口を抜ければ平野郷の外になり一面の田畑が広がります。
と、言いたいところですが戦後は市街地化が進み一面の住宅地。
しかも、街道ルートは一部で分断されています。

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北出戸バス停。まだ町は静まり返っています。
名前に出戸が付きますが昔からの出戸の集落はもう少し先です。

今回の歩きは夏至の時期だったので4時台に出立しましたが、
普段は交通量があるようなところでも嘘のように少なく、
写真も気にせず撮れるので気楽に楽むことが出来ました。

下の写真の広い空き地は阪和貨物線の跡です。
関西線の久宝寺駅あたりから阪和線に抜ける短絡線で
一時は名古屋から和歌山への特急も走っていました。

今は電化設備はすっかり取り払われ、
草むらに隠れた砂利のみが線路があったことを語っています。

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出戸集落付近の旧道。

古市街道は大阪府内にある街道の中でも
旧道が残っている割合が多いと感じます。

その先にある長原集落は、かつての長吉村の中心地で、
出戸や川辺などの六地域によって構成されていました。
「長吉」の地名の謂れは「いつまでもよい」からきていて
他にも説がありますが縁起のよい名前とされています。

大和川付替え前は狭山池からの東除川が集落内を流れていました。
付替え後は埋め立てて歩道になったという話を聞いていたので、
川筋が一体どこを通っていたか気になっていました。

おそらくですが、現在の道筋は旧東除川の上に設けられたもので
これは古地図に築堤が描かれているのでなんとなく想像できます。
付替え以前のルートも土地の使われ方を見るに同じように見えるので
この付近のルートは古い時代から変わってないのかもしれませんね。

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この左手に真田幸村休息所跡があったそうです。
古市街道は大坂夏の陣で使われた道でもあります。

さて、新大和川の手前にある川辺集落が近づいてきました。
立派な家が多いのが特色の一つと言っていいもので
大和川関連での生業が多かったのかもしれません。

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新大和川には橋は江戸時代を通じて1本しか架けられず、
下流域にある紀州街道に架けられた大和橋がそれでした。

なので、川辺集落から大堀集落へ行くには
橋はなく渡し舟もしくは徒歩渡りだったと思われます。

下の写真は川辺八幡神社の鳥居です。
古市街道には八幡神社が多いのが特長的ですが
ゴール付近には誉田八幡宮がありますしその影響でしょうか。

かつて社領は4町歩以上におよんでいたそうです。
付け替えで移転となり元の大部分は川床となっています。

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大和川。
明治に入って一代目の明治橋が木橋で架けられます。
二代目は昭和5年に橋長170m、幅員5.5m、十四径間の単純鋼鈑橋で
現在の三代目は昭和63年に下流側に場所を変えて架けられています。

川を渡った先は大堀集落です。

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高速道路建設によって移転などがあり随分と変わりましたが
付近には大堀城や大堀塁といった遺跡や伝承があることから
古い時代から人が住んでいたことは間違いないようです。

集落内の街道はどのように通っていたかは不明ですが
古地図から東除川沿いではなく集落内を通っていたと思われます。

今回はここまで。後半も実に面白味がある道のりです。



  
posted by にゃおすけ at 15:13 | Comment(0) | 大阪近辺の街道 | 更新情報をチェックする
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