かつて東海道で浜名湖を横切るときは
今切の渡しという舟を利用する必要がありました。
現代は残念ながら舟を利用するすべがないので
我々は電車でワープしていたのが心残りでした。
「せっかくなら東京大阪の全区間歩いておきたい・・・」
娘にもその勲章を!という思いもありますが、
友達と話すとき「東海道五十三次を歩いたよ」というより、
「東京まで歩いた」のほうがわかりやすいですよね。
↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。
なので、歩くのは僅か4kmほどの区間ですが
我々にとっては大いに価値があるものとなりました。
ちなみに今回の旅で娘には歩くことを言ってません。
一言「静岡の友達に会えるよ!」とだけ言いましたが、
行程は全て謎という言わばミステリーツアーで出発しました。
久しぶりの新居町駅。
歩くことを察してか少し不機嫌な娘。
まぁ、無理もありません(笑
道中では気になったもの(特に植物)があれば
iPhoneを出してGoogleレンズで調べていました。
小1にも関わらず操作は随分と手慣れたものです。
城郭風喫茶店にびっくりの娘。
古い観光地は驚きの建物と出会えるから楽しいですね。
浜名湖の風に当たりながら一休み。
家から持ってきたパンをむしゃむしゃと。
やがて弁天島にたどり着きました。
南国のような風情が良いものでした。
さて、翌日は静岡市の清水に移動。
次なる道は東海道と清水湊を結ぶ清水道です。
これもずっと気になっていた街道で、
距離は4q程なので友達と歩くには良いかなと考えました。

東海道分間延絵図より
清水道は一体どこを通ってるかですが、
上の絵図を見ると宿場から左下へ伸びているのが久能道。
そこから川沿いに広がる清水湊に向かう枝道が清水道です。
今の感覚だと宿場の辺りも清水だとは思うのですが、
昔は巴川河口地域に広がる港集落を指すのが一般的で、
宿場のある江尻とは別の町という認識だったようです。
その清水は駿府の外港の役割もあったので
古くから大変な賑わいがあったといいます。
清水の友達と合流して娘もニッコリ。
若干ハイテンションなのが気になりましたが、
快適な街道歩き日和となりました。
東海道との追分に立つ道標は実に立派です。
二人揃って触りまくる姿に思わず笑みがこぼれます。
「是より志ミづ道」
「清水」や「しみず」と書かないあたり粋ですね。
ちびまる子ちゃんの母校の横を進みます。
ほぼ道なりの街道歩きなので子連れでも楽ちんです。
ただ、騒がしい(笑
ひたすら何気ない町中を歩くのですが
そういう中でも下のような標識があると嬉しいですね。
江尻宿から伸びる久能山への道と交差した先で、
街道の風情が少しだけ変わります。
道に若干ながらも緩い勾配がついていたりと、
町並みに立体感があるようになってきました。
これは川や海が近いこともあるのでしょう。
八幡神社。
境内には何本もの大木があって歴史を感じます。
そして、裏手にあるのが「ちゃんちゃん井戸」
実はこれが清水の謂れとなっているものです。
こんなものがあったなんて・・・。
20年前に住んでいた頃は全く知る由もなく、
やはり歩かないとわからないことは多いものです。
巴川に出ました。
対岸に見える木々が生い茂ってるあたりが古城跡。
ようするにここが清水の元々の中心地になります。
ひと際目立つ地元企業「鈴与」のお屋敷もあったりと
周辺には蔵が立ち並んでいて往時の賑わいを感じました。
次郎長通り商店街。アーケードが素敵!
この辺りの雰囲気は20年前とさほど変わっていません。
狭い道が多いので車だと敬遠していた場所でしたが、
歩いてみると空は広く奥行きもあり驚きました。
ここには次郎長の生家があり見学ができます。
娘は土産に「勝ち守り」をGetしていました。
やがてエスパルス通りを経てゴールとしました。
子供たちは道路わきのサッカーのモニュメントに夢中。
こういうハチャメチャな街道歩きもアリですね。