2024年10月07日

念願の愛宕山で歴史を感じる旅

宿場町の出入り口で多く見かけるのが
火除けのまじないの意味を持った愛宕さん。

火災がひとたび起これば大火となりえただけに
当時の人々にとって大切なものでした。
その総本宮が京都市の北西部にあります。

IMG_6899.JPG


↑詳しいルートと記録は【山行記録のページへ】もご覧ください。

標高1000mある総本宮へは多くのルートがあります。
その最もメジャーなのは清滝からの表参道。
丁石や石仏などが置かれ茶屋の跡もあったりして、
歴史を実に感じることが出来るルートといえます。

入口の清滝は避暑地として古くから賑わいがありました。

IMG_6898.JPG

IMG_6897.JPG

今も茶屋や旅館があって
往時の賑わいを感じさせるものがあります。

戦前は東の比叡山と並んでリゾート開発の計画があって、
ケーブルカー、遊園地、スキー場、食堂などが作られ
既に無きものばかりですが勢いがありました。

IMG_6868.JPG

こちらは愛宕ケーブル山上駅の跡。
2階はハイカラな洋風食堂だったそうです。

昭和4年開業したもの戦時の不要不急線となり、
止む無く昭和19年に廃止となってしまいます。
いわゆる愛宕山鉄道で索道と鉄道線がありました。

IMG_6870.JPG

IMG_6871.JPG

柱の鉄筋が剥き出しとなっていて、
天井からは水滴がしたたり落ちています。
現状を保ってるのはそう長くはないでしょう。

表参道は標高差があるので、
今もケーブルカーがあれば超絶便利だったはずです。

一方でケーブルカーが開通したことによって、
表参道にあった茶屋は客が来なくなってしまい
廃業や移転を強いられた歴史も忘れてはなりません。
ちなみに山上駅にあった食堂も茶屋からの移転でした。

IMG_6866.JPG

今回、愛宕山に登ったきっかけは
先日のバス祭りにおいて無料券をgetしたからでした。

使用できるバス路線は八木駅からなので、
裏参道と言われた樒原口からのルートとなります。
丹波・丹後・摂津国からの利用に便利だったそうです。

IMG_6788.JPG

IMG_6791.JPG

終点である原バス停付近の鳥居前。
かつては茶屋や旅籠、酒屋があって賑わったといいますが、
どこか懐かしさを感じる静かな山村の光景が広がっています。

ここから登る人は今の時代は少ないようで、
バスの中では私1人といった状況でした。

表参道に比べると楽に登れるはずなのに・・・どうして?
と、不思議でしたが恐らくは交通費的な問題なのでしょうか。
標高500mから登れることは利点だと思うのですけどねー。

IMG_6790.JPG

IMG_6806.JPG

登山道自体は若干荒れている場所もありましたが、
4WDの車も通るみたいでコンクリの路盤もあったりと
広くて実に歩きやすい快適なものでした。

スキー場跡付近からは低木が増えてきて、
標高が高いことを実感させられます。

IMG_6809.JPG

IMG_6818.JPG

地蔵型道標。
不思議なことに入口からここまで石仏を見かけませんでした。
表参道にあるような丁石もなかったですし・・・。

でも、こうして古いものがあるのは
歴史がある証拠で嬉しくなっちゃいますね。

IMG_6822.JPG

IMG_6826.JPG

やがて愛宕山神社。なんと気温は14℃。
この日の下界は32℃はあったので天然のクーラーです。
ここまで急登もありましたが一気に汗が引きます。

常夜灯がずらっと並ぶ姿は圧巻です。
小じんまりしたものが多いのは高所だからなのでしょうか。

IMG_6830.JPG

IMG_6834.JPG

歴史ある参詣道らしい佇まいを感じます。

「伊勢に七度、熊野に三度、愛宕さんには月参り」
京の人々にとって身近な存在だったのが和歌を見てもわかります。

まぁ、伊勢に七度とか当時としてはほぼ無理なので、
この文句はいわゆる”たとえ”と見るべきで
信心はどんなに深くしても限りはないことのようです。

IMG_6838.JPG

IMG_6842.JPG

表参道では多くの人とすれ違いましたが、
海外の人を全く見かけなかったのは不思議でした。
もちろん偶々かもしれませんがある程度の装備が必要ですし、
行きたくても気軽には来れないのかもしれません。

昨今の海外の人で溢れかえる京都を見ると、
ある意味貴重な空間でありました。

今回、久々の単独での山行きでしたが
やはり、街道歩きと違う面白さがありますね。
次は鳥居本と一の鳥居も含めての愛宕詣もしたいものです。


posted by にゃおすけ at 08:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 近畿ボラボラ_京都 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
]のほうで愛宕山の事を書いておられる方があり、今も山上駅の跡が残っている光景は少し見ておりましたが、このブログでの数枚は迫力のあるものでした。偏在はこんな風に放置されておって、立ち入り制限もされておらんのでしょうか?画像を見る限り落書きなどの荒らしもされておらんようですが。その他にも多くの画像を載せて頂き、とても現地に行けない自分も大いに楽しませていただきました。
Posted by 太郎 at 2024年10月09日 16:31
>太郎さん

コメントありがとうございます。
ここは比較的アクセスがしやすいにも関わらず、
立ち入り制限はされてないように見えました。
落書きがされてないのは高所であったり、
愛宕さんの山中だからなのでしょうかね。

この駅舎に限らず他の線路部分もそうですが、
自然に帰る雰囲気に良いものを感じました。
 
Posted by にゃおすけ at 2024年10月10日 08:41
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック