企業ミュージアムを巡るのが楽しみなのですが、
今回は京都は蹴上発電所に行ってきました。
この中を見学できることは意外と知らない人が多く、
実は私も教えられて初めて知った次第です。
蹴上発電所見学会のご案内|関西電力
https://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/newenergy/water/plant/tour_keage/
募集要項を見ますとまず毎週金曜日開催。
祝日は除くとありますから平日のみということですね。
企業系ミュージアムだから仕方ないところですが、
ここは休みをとってまで参加する価値はあります。
集合場所への道のり。
立派な煉瓦の建物が目の前に現れます。
季節的なこともあるのかもしれませんが、
以前よりも手前の木々が鬱蒼としてる気がしました。
まず、集合すると、
建屋内に通され座学がはじまります。
発電所に関するスライドや係員による熱心な説明、
映像は子供にもわかりやすいよう作られていて、
聞くと小学生の見学も受け入れてるからとのこと。
こういう見学会は、
結構マニアックな人も来ると思うのですが、
初心者目線での説明は個人的にはとても有難いものです。
あまり難しい話だと眠たくなります(笑
内容的にはこんな感じです。
都が東京に移った京都は荒廃してしまったので、
それを打破するために琵琶湖疎水が作られます。
疎水は舟運にも使われ、電力開発の一翼を担います。
蹴上発電所は同時期に作られたもので、
日本の発電所では初期の部類になるそうです。
話の中で一番驚いたのは、
あの象徴的な煉瓦の建物は既に発電設備はなく、
京大の研究に一時期使われていたということ。
そして、煉瓦の建物は元は第二発電所と呼ばれ、
第一は既になく今稼働中なのは第三とのことでした。
なので、このタービンがあるのは第三です。
名前こそ新しい感じには聞こえますが、
昭和11年建設のコンクリ造りで古いものです。
それにしてもタービンの場所は轟音です。
説明してくださってる係員さんの声が聞こえません。
それだけ水の流れが凄いものと実感できるのですが、
実は建設当時の出力より今は随分と少ないそうです。
煉瓦の建物に入っていきます。
中は電灯が一切なく神秘的な雰囲気です。
前述のとおり京大の研究施設になっていたので、
初期とは外観以外は変わってしまってるとのこと。
たとえば、この空間。
地面となってる場所は元々はなくて、
吹き抜けの構造で天井クレーンが備わってました。
窓側などを見るとガーターの跡が見て取れます。
このように変わってしまったのが大半ですが、
元々の構造が残る箇所も意外と多いもので、
見ていて想像が膨らんだりと楽しいものでした。
ちなみに京大が研究していたのはサイクロトロン。
聞いたことがなかったのですが調べて驚きました。
部屋に入るドアが頑丈だったのも頷けます。
さて、外に出て屋上を見上げてみると、
かわいらしい風見鶏がありました。
へー、こんなのがあったんなんて…。
アスタリスクのマークにも見えるものは、
水をモチーフにしているものと聞きました。
ようするに水力発電の「水」ですね。
このマークは探せば今も町で見ることができますが、
古いマンホールや橋の装飾といったものなので、
宝探し感覚で探さないと見つけるのは困難でしょう。
以上、ざっとではありますが、
蹴上発電所を見学しての感想でした。
ほんと企業系ミュージアムは楽しいものです。
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